ブリュッセル・グリフォンの病気・ケガ・性格を解説

ブリュッセル・グリフォンがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

ブリュッセル・グリフォンの特徴

ブリュッセル・グリフォンの歴史

ブリュッセル・グリフォンは1800年以前のベルギー・ブリュッセルにおいてアーフェン・ピンシャーやベルギーの地犬だった「グリフォン・デキュリー(griffon d'ecurie)という犬を元にして生まれたと考えられています。ネズミを始めとする害獣の駆除が得意だったため、地元ブリュッセルにおいて大人気となり、個体数を伸ばしていきました。

また、犬種名にある「グリフォン」とは尖ったもの、細長いものを指すフランス語で、転じて粗い被毛を表しています。歴史上、最初のブリュッセル・グリフォンが記録されたのは15世紀に描かれた絵画の中ですが、それ以前はどのような成り立ちであったのかはっきりとしていません。

19世紀になると、この犬種の魅力を更に高めようと、当時流行していた短頭種と交配させて鼻が短い顔立ちにしようと試みられ、そこでパグと交配し、更にヨークシャーテリアやキャバリアとの交配が行われるようになると、グリフォンはネズミ捕りの仕事をすっかり忘れてしまっていました。また、パグとの交配のため短毛の個体も生まれるようになり、ヨークシャーテリアとの交配は毛色の黒い個体を生み出しました。

同じ母犬の同腹同胎子でありながら、毛色や毛質が大きく違う兄弟として生まれた彼らには、やがて別の名前が与えられるようになり、短毛のものを「プチ・ブラバンソン」、黒毛のものを「ベルジアングリフォン」と区別して呼ぶようになました。原産国のベルギーではこれらをすべて別の犬種として扱うことにし、FCI国際畜犬連盟もこの考え方に準じていますが、他国ではまた異なる考え方をもち、3犬種とも同じ犬種として扱う国、短毛のブラバンソンと長毛のグリフォンを分けて2犬種とする国などがあります。

日本ではFCIの考え方に合わせて、3種類の犬種として扱っています。

ブリュッセル・グリフォンの大きさ・見た目

体長と体高ががほぼ同じ長さのスクエアな体型で、体に対して大きい頭部は丸く、ストップがはっきりして極端に短いマズルが特徴です。

耳は垂れ耳で、断耳されていた時期もありましたが、現在は動物愛護のため行われなくなっています。

全身を粗い被毛をシングルコートで覆われており、毛色はジンジャーとも呼ばれる赤みがかったブラウンのものになります。

また、ダーク系の色合いの場合はベルジアングリフォン、短毛の場合はプチ・ブラバンソンと分けられています。

体高は18~20cm、体重は3.5~5㎏、平均寿命は10~15歳ほどです。

ブリュッセル・グリフォンの性格

人懐っこく、家族の指示や行動を注意深く注目しており、理解力がある聡明さがあります。

誇り高く、飼い主に対してたいへん愛情深い犬ですが、陽気な性格でもあるため、時にいたずらをすることもあります。

警戒心はありますが、社交性が強いため、他の犬や動物、子どもとも仲良く暮らすことができます。しかし、人見知りをあまりしないため、番犬としては不向きな面も見られます。

ブリュッセル・グリフォンを飼うときの注意点

ブリュッセル・グリフォンは活発で明るい犬ですが、小型犬であり、長時間の散歩の必要はありません。1回20分程度の散歩を1日1回~2回程度で十分でしょう。肉体的な刺激よりも精神的な刺激を求めるので、広いスペースで一緒に遊んであげることをおすすめします。

飼育の際は、屋外には不向きのため、室内で飼育し、夏場は熱中症にかかりやすいことを考慮して部屋の中の冷房の温度調節きちんとするようにしましょう。

陽気で明るい性格ではありますが、頑固な面もあるため、しつけはやや難しい面があります。しかし、攻撃的な面は少ない穏やかな性格なので、優しく根気よく教えるようにしましょう。

また、子犬の頃からほかの犬や見知らぬ人と積極的にコミュニケーションを持たせることで社会性を身に着けられるのでしつけもうまくいきやすくなります。

無駄吠えをすることがありますが、その際には頭ごなしに叱るのではなく、なぜ吠えているのかという点をよく理解し、原因に対処しつつ、改善ができたらきちんと褒めてあげましょう。ストレスが溜まって吠えている場合は、散歩や運動などでストレスを発散させ、また、我儘な要求や、警戒心から吠えている場合は、基本的に無視をするようにします。

泣き止んだ後に褒めてあげるようにすることで、「吠えると無視をされてしまうが、静かにしていれば褒めてもらえる」と認識するようになります。

長毛のブリュッセル・グリフォンは毎日ブラッシングをしてあげることが望ましいです。

食事や水を飲んだ後は、顔周りの毛が汚れてしまうので、絞ったタオルなどで優しく丁寧に拭いてあげましょう。汚れは放っておくとノミやダニが繁殖する原因になるので注意が必要です。

針金のようなワイヤーコートの被毛を維持するためには、「プラッキング」という被毛を抜くトリミングを行う必要があり、それをしないと被毛が柔らかくなって毛色も薄くなってしまうため、トリミングに連れていく際にはプラッキングができるかどうか確認しておくことをおすすめします。

また、目の周りの毛を短くカットしてあげると目の病気を予防することができます。

垂れ耳なので、通気性が悪く汚れが溜まりやすいため、こまめに耳掃除をしてあげましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演