ロットワイラーの病気・ケガ・性格を解説

ロットワイラーがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

ロットワイラーの特徴

ロットワイラーの歴史

ロットワイラーは、西暦73年頃、ローマ軍のスイス侵攻の際、南ドイツに通ったことでこの地に入り、11世紀頃までに定着することになったといわれています。イタリア(ローマ)の住宅の屋根に使われる赤いタイルが、南ドイツのこの地域に持ち込まれたことで、ロット(赤)ワイル(タイル)の名前から、ロットワイラーと呼ばれるようになったとされています。

ローマ軍はスイス侵攻の際に、経由地にいくつもの犬を連れて入りましたが、後にスイスで発展することになったバーニーズ・マウンテンドッグは、毛色のパターンや骨格、頭蓋骨の特徴などがロットワイラーとよく似ており、近縁の可能性が指摘されています。

20世紀に入ると、交通網の発達で電車と車両による輸送が始まり、交通の妨げになる牛追いは禁止され、この当時山岳地など農村部以外で家畜の移動のために働いていた牛追い犬たちはそろって転職を余儀なくされてしまいます。ロットワイラーもその運命をたどることとなりました。

彼らは「肉屋の犬(metzgerhund)」として、殺場や牧場を中心とした狭いエリアの中で大きな荷物を引くことが主な仕事となっていきました。

さらに畜産業の近代化に伴って、ロットワイラーたちは再び失業し、ついにはこの地域にはたった1頭のメスしかもっていなかったと伝えられています。

ドイツで最初のロットワイラークラブは1899年作られ、1901年には最初のスタンダードが定められました。このクラブはレオンベルガーのクラブも兼ねていた簡素な集まりで、1907年、激減するロットワイラーの保存に乗り出すためにクラブは改めて組織化され、スタンダードを改訂し、計画的な育種が開始されました。ドイツでのロットワイラー単独クラブは1921年に設立されています。

20世紀以降、ロットワイラーたちは、卓越した体力と勇敢さを買われて、警察犬や軍用犬として、また税関などの犯罪の侵入を水際で防止するために、ほかにも山岳救助犬として世界中で活躍をしています。

警護や防衛のイメージや見た目の雰囲気から、逆に犯罪者が身辺警護や違法な闘犬として使うことがあり、ロットワイラーたちのイメージをダウンさせてしまう事態も生じています。賢く、訓練性能が良く、並外れた力を持ち、勇敢でありながらとても素直なロットワイラーは悪事に使おうと訓練すればそのような犬になってしまうのです。

しかし、原産国ドイツのロットワイラークラブでは、設立当初から「ロットワイラーは作業犬として育種する」と一貫して主張していることを、この犬種を愛する人たちは決して忘れてはならないでしょう。

ロットワイラーの大きさ・見た目

大型犬としてはコンパクトで、がっちりとした骨格で隆々とした筋肉を持ち、伸びた首に大きめの頭蓋骨と垂れ耳、短毛の犬種です。

尻尾は生まれつき短いわけではなく、断尾をしているだけで、近年は行われない国が多いようです。

また、ドーベルマン・ピンシャー作出のために使用され犬種とされています。

毛色はブラックを基本に顔や体の各所にタン・マーキングが入ります。

体高はオス61~69cm、メス56~59cm、体重はオスメス共に41~59㎏、平均寿命は8歳~10歳ほどです。

ロットワイラーの性格

落ち着きがあり、穏やかな性格をしています。飼い主や家族に対して献身的に尽くし、家族を守ろうとする警戒心が強く、護衛能力も高い特徴があります。

自身があり、敵に対して恐れを知らずに立ち向う勇敢な面もあるため、、訓練すれば命令に即時従う素晴らしい番犬となります。

ロットワイラーを飼うときの注意点

ロットワイラー飼育環境には、温度管理のできる室内飼育が適しています。ロットワイラーは暑さに弱く、日本の真夏のような蒸し暑さには外で飼育することができません。毎日の生活の中でしつけを行っていく必要もあるため、飼育スペースが十分に確保できる環境が望ましいです。

毎日の散歩は絶対必要で、散歩を怠ることによりストレスで狂暴性が出てしまう場合もあります。ですので、ロットワイラーのために毎日時間を割いて長時間運動させることができる飼育者でなければ、飼うのは難しいといえます。山坂のある道の長距離散歩や、広場などで自由に走り回らせるなど、ロットワイラーには運動量を意識した飼い方が必要となってきます。

また、ロットワイラーは股関節形成不全になりやすいので、肥満にならないように注意が必要になります。多すぎる餌や運動不足も肥満を招くことになりますので、運動量以外も、餌の量は適性の分量を、毎回計って与えるようにしましょう。

ロットワイラーは抜け毛が少なく、被毛の手入れは楽なので、定期的なブラッシングやシャンプーで毛並みを維持できます。

警戒心の強い犬なので、見知らぬ人yあ動物に足して吠えたり、唸り声を上げたりすることで相手を威嚇しようとします。警戒心が高まると相手に咬み付くなどの危険な行為も起こす可能性があるので、ロットワイラーの飼い主はしつけに最新の注意をしなくてはなりません。ロットワイラーは犬の飼育に不慣れな人には向いておらず、力も強く運動量が多いので、力の強い男性によって飼育されることが望ましいとされる犬種です。

子犬の頃から、絶対に人間に服従するようにしつけをしてきます。また、幼いうちから色々な環境に馴染ませておくことで、警戒することが少なくなります。子犬の頃から人や動物などと触れ合うことは成長していくうえで非常に重要となり、できるだけ成犬になってから怯えること無く過ごせるようにしておきましょう。

ロットワイラーを始め、警戒心の強い大型犬をしつける際には、プロのドッグトレーナーに協力してもらうことが一番です。大きな事故が起こってからでは遅いので、お金や時間が多少かかっても、徹底的なしつけが必要となります。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演