チワワがかかる低血糖の症状とは?治療は砂糖水やはちみつが効果的?

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チワワがかかる低血糖ってどんな病気?

低血糖とは、その言葉の通り血液中の糖濃度(=血糖値)が低くなることです。体のあらゆる臓器は糖を栄養として働いているため、血糖値が低くなると働きが鈍くなります。これによって全身の状態が悪化することを低血糖症と言います。

チワワも私たち人間と同様に、食べ物を食べるとそこに含まれる栄養素が分解され糖に変換されます。これは肉を食べても野菜を食べても砂糖を食べても同じで、栄養素は最終的には糖に変換されて体が利用する仕組みになっています。

タンパク質、脂質、糖質など栄養素の種類によって、それぞれから作り出せる糖の量や、糖に変換するまでの時間や経路が異なるものの、最終的には糖として体に利用・蓄積されます。

この糖への変換は糖新生(とうしんせい)と呼ばれ、肝臓で行われていて、肝臓は糖を蓄積しておく貯蔵庫の役割も果たしています。

仔犬の低血糖症は、糖を作るための原料である栄養素が摂取できていない状態か、摂取できているのにうまく糖に変換できていない状態か、のどちらかで発症します。

チワワが低血糖になる原因とは?

チワワの仔犬で見られる低血糖症は、栄養素の摂取不足と貯蔵不足、そして糖への変換がスムーズに行われないことで起こります。

成犬であれば常に食事をとり続けなくても低血糖症にはなりません。これは肝臓の機能が十分に成長しているため、糖を貯蔵しておく能力が備わっているからです。食事を取れない時間は肝臓から少しずつ貯蔵していた糖を取り出して活動することができるのです。

しかしチワワなど小型犬の仔犬は、一度に食べられる食事量が少なく、また肝臓の機能がまだ十分に備わっていないので血糖値を保つために頻繁に食事をとる必要があるのです。

チワワの低血糖の原因①~食事の回数~

成犬であれば食事回数は1日2回で十分ですが、チワワの仔犬は食事の間が12時間空いてしまうと、肝臓での糖の貯蔵が不十分なために低血糖症になってしまう危険性があります。

仔犬には必要なカロリーを通常1日3回程度に分けて与えるようにします。常に大量の食事を与えるのではなく、少しずつ食べさせるようにしましょう。

チワワの低血糖の原因②~下痢や嘔吐~

仔犬を新しく家に迎えると、人間も生活環境やリズムが大きく変化します。それと同様に仔犬も今までいた環境と大きく変化し、精神的にも肉体的にもストレスがかかります。

身体へのストレスは嘔吐や下痢といった消化器症状を引き起こしやすいと言われています。嘔吐してしまうとせっかく食べた栄養素が出て行ってしまいますし、下痢も同様に栄養素を失う原因になります。

ご飯を食べてくれていても、嘔吐や下痢で栄養を失う方が上回ってしまうと低血糖症になってしまうので注意が必要です。

チワワの低血糖の原因③~寒さ~

寒い環境では、私たち哺乳類は震えることで熱を産生して寒さに対応しています。この震えによる熱生産は筋肉を小刻みに収縮させて行います。そして筋肉の収縮は栄養(糖)を消費します。

肝臓の機能がまだ未発達な仔犬が震えて糖を消費してしまうと、簡単に低血糖症になってしまう可能性があります。

チワワの低血糖の症状とは?短時間で死亡することも?

チワワの低血糖の症状は、元気食欲の低下、嘔吐、下痢、そして発作です。

低血糖症では、全身の臓器が働くための栄養(糖)が足りない状況に陥っています。全身の様々な臓器が機能不全になるため、症状も様々なものが見られます。

低血糖症といえば発作、と理解している飼い主さんやブリーダーさんも多くいらっしゃいますが、発作は低血糖症のかなり末期的状況と言えます。

血糖値が下がると、体を動かすのがつらくなるので元気がなくなります。そして胃腸の動きも悪くなるため食欲も落ちます。ここまでは「環境の変化によるストレスかしら?」と思われがちで、多くの場合見過ごされています。

血糖値が低く食欲が落ち、胃腸の動きも悪くなると嘔吐や下痢といった症状も見られ始めます。ここまでくると仔犬の身体はかなり消耗しているので、急激に血糖値が下がって行きます。

そして体のあらゆる臓器と同じように、脳も糖を重要な栄養素として利用しています。そのため低血糖が進行すると脳細胞も異常をきたし始めます。

脳細胞が障害されると正常な神経活動が難しくなり、発作を起こすことがあります。

発作とは、全身が硬直して倒れてしまったり、泡を吹いてドタバタと四肢を暴れさせたりすることです。これ以外にもぼーっとして呼びかけに反応しない、よだれを垂らし続ける、などの症状もあります。

この時にすぐに気づき対処すれば元の状態に戻れることもあります。しかし、気づくのが遅れたり、低血糖状態が長時間続いてしまうと命を落とすこともあります。

全身的な発作が5分以上続くと低血糖がさらに進み、そして脳細胞のダメージがどんどん広がり、呼吸などの生命維持を担っている脳の部分が障害されれば呼吸が止まり、死んでしまうのです。

チワワが低血糖になったらすべき治療は?砂糖水やブドウ糖が効果的?

チワワが低血糖になってしまったら、自宅でできる応急処置があります。それをする前にまず、低血糖になっているのかどうか、を見極める必要があります。

しかし自宅で血糖値を測ることはできませんので、低血糖を疑われる状態であればとりあえず応急処置を実施するようにしましょう。

まず食欲が低下していたり元気が無かったりしたら、低血糖気味になっていると疑って良いでしょう。家に迎えた日は元気でモリモリ食べていたのに、だんだんと食が進まなくなってきたり、はしゃいで遊ぶことがなくなってきていたら、それは低血糖の初期症状かもしれません。

そういう場合は、食事にはちみつをかけてあげてみてください。1回の食事につきティースプーン1杯程度で十分です。それを食べてくれたら、少し安心できます。

しかし食事にはちみつをかけても食べてくれない場合には、無理やりでも口に入れる必要があります。その時は、はちみつを歯茎に塗るようにして与えましょう。はちみつを飲み込んでくれなくても、はちみつに含まれるブドウ糖は歯茎の粘膜からも吸収されるからです。

もしチワワの仔犬が発作を起こしたら低血糖症である可能性が高いので、この場合もはちみつかブドウ糖を口の粘膜に塗ってください。噛みつかれそうで口に塗るのが難しい場合は、ペニスや肛門などの粘膜に塗りつけましょう。

はちみつやブドウ糖の代わりに砂糖水を使うこともあります。しかし砂糖はブドウ糖などに比べて分子量が大きく、血糖値を上げるには少し時間がかかってしまいます。ですので、ブドウ糖やはちみつがある場合にはそれらを使いましょう。

この時に注意したいのは、ブドウ糖やはちみつをあげすぎることです。厳密に何g以上があげすぎ、という基準はありませんが、与えすぎると下痢の原因となります。

食事を1日3回以上食べ、それに加えはちみつやブドウ糖を与えているにも関わらず発作などの低血糖症の疑いがある症状が出てしまう場合には、ほかの病気がないかを検査したり、特別な食事に変更する必要があるので動物病院を受診するようにしましょう。

成犬のチワワも低血糖になるの?

成犬のチワワが低血糖症になることはあります。しかし仔犬の低血糖症と違い、病気によって起こることがほとんどと考えて良いでしょう。

成犬のチワワが低血糖になる原因①~肝臓の病気~

はじめにお伝えした通り、摂取した食事から糖を作るのは肝臓の仕事です。そして糖を貯蔵しておくのも肝臓の大事な仕事です。

肝臓の機能が落ちると、食べた栄養素から糖を作り、貯蔵できなくなります。そのため食事をとっていても低血糖になりやすいのです。

肝臓の機能が落ちる病気は様々で、生まれつきの血管異常によって肝臓が未発達になってしまう門脈体循環シャントや門脈異形成症、慢性肝炎、そして加齢による肝機能不全などがあります。それぞれにあった治療をしなければ低血糖症をコントロールすることはできません。

成犬のチワワが低血糖症になる原因②~インスリノーマ~

成犬で血糖値が低い場合にまず疑うのは、膵臓の腫瘍です。膵臓にできる腫瘍のうち、血糖値に異常をきたすのはインスリノーマと言われる腫瘍です。

通常であれば食事によって上昇した血糖値は、膵臓から分泌されたインスリンによって生命活動に利用されたり肝臓に貯蔵されたりします。しかしインスリノーマでは食事とは無関係に常にインスリンが大量に放出されているのです。

これは悪性腫瘍で、血液検査や超音波検査などで診断することが可能です。早期に診断し治療することで低血糖症をはじめとする症状などを抑えることができるでしょう。

このように、成犬のチワワで低血糖に陥る場合は恐ろしい病気が原因となっていることがほとんどです。7歳を超えたら健康診断などを定期的に受け、これらの病気の早期発見に努めるようにしましょう。

チワワが低血糖にならないためにすべき予防とは?

チワワが低血糖にならないためには、食事の量、与え方、内容などに注意する必要があります。そして仔犬を家に迎えた時には、環境変化によるストレスが必ずチワワの身体の負担になっている、ということを理解しておく必要があります。

食事の量は与えるフードの種類によって変わりますが、必ず仔犬用を与えましょう。そのフードで月齢や体重に見合った必要な量が必ずフードの袋に記載されているので、1日に必要な量を3~4回に分けて与えます。

低血糖症になったチワワが病院にきた時よく聞くのが、「ご飯を1日1回で与えていた」「量が分からず適当に与えていた」といった言葉です。これらは間違った仔犬の飼い方なので注意しましょう。

そして仔犬が急激な環境変化にさらされていることを忘れて、遊び続けてしまうことも低血糖症の原因となります。

人間が楽しく遊んでくれると仔犬も楽しいのではしゃいでしまいます。家に迎えたばかりのチワワと何時間も遊んでしまうと、それだけで体力の消耗が激しく低血糖に陥る危険性が高まります。

「元気に遊んでいたのに、急にがっくりと動かなくなった」ということも、低血糖のチワワの診察をしていて、飼い主さんからよく聞く話です。エネルギーである糖を貯蔵しておく能力が低いのに、過剰に動いて遊ぶことでエネルギーが空っぽになってしまうのです。

低血糖症で一番怖い症状は発作ですが、その発作が起こる前の症状である元気や食欲の低下や、嘔吐、下痢などの初期症状に注意して、少しでも不安な部分があれば必ず動物病院を受診するようにしましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演