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「リーダーウォーク」とは、リードを使用して飼い主と犬の距離を付かず離れずの距離に保って両者が寄り添って歩くことを指します。
日常のお散歩やお出かけの時に最も役立ちますが、それ以外にも犬に指示や命令を出して飼い主が主導で歩くことによって主従関係を確立させることにも役立ちます。
飼い主がリーダーとなり、飼い主の指示や命令で犬が自然と行動するようにすることを「服従」と呼びますが、これはネガティブな解釈ではなく、人間と犬が共生していく中でとても大切なことなのです。
リーダーウォークができるようになると、お散歩の時に狭い道や危険な場所を通る時に役立ちます。犬が主導でお散歩や行動をしてしまうと、飼い主の指示や命令を聞かずに勝手に行動をしてしまいます。
そのため、リーダーウォークができずに散歩をし、もし車が急にわき道から出てきた際などに思わぬ事故に繋がる可能性もあります。
犬の興味がある方向に歩かせたいう気持ちも分かります。飼い主と安全で楽しい散歩をするためにこのリーダーウォークをすることは大切であり、リードというものは犬の命を守る大事なアイテムです。
リーダーウォークをしつける上で4つの種類があります。
スタンダードリードは、リードの基本型になります。持ち手がループ状になっていて、反対側が犬の首輪につなげる金具がついています。
長さは約50cmから2mほどまでの長さで、ナイロン製や革製、ロープ製など使用している素材は様々です。犬にも優しく、そして飼い主が使いやすく作られているので、リードの種類の中で最も多く使用されています。
フレキシブルリードとは「伸縮リード」と呼ばれていて、飼い主の持ち手の部分でリードの長さを調節できるようになっているタイプのものです。
広い公園や運動場で走らせる時に活用でき、リード部分がワイヤー素材でできているので耐久性があり大型犬にも向いています。
しかし、持ち手の操作に慣れていない場合に長さの調節を伸ばしすぎて他の人や通行人の人に迷惑をかけてしまう危険性があるため、毎日の近場の散歩にはあまり向いてないリードです。
トレーニングリードとはその名の通りしつけ用のリードです。ロングリードという名前でも知られていますが、3mから14mほどの長めになっています。
リードの長さが通常よりも長いためこちらも通常の散歩には向いていませんが、「おいで」のしつけをする際や広い公園や運動場で走らせる時に便利です。
マルチファンクションリードとは、飼い主が手で持ち手を持てるだけではなく、紐を肩にかけることができたり、買い物の際にお店の前に犬を待たせる時に繋いでおく時にとても便利です。
多機能性と耐久性を持ち合わせているリードのため、大型犬のリードとして使用することが多いです。
リーダーウォークをしつける前の心得としては、リードは犬を束縛するものではなく、犬の安全を守るための命綱であるという認識を強く持つことが大事です。
飼い主がリーダーとしてしっかりする必要があり、主従関係や服従という言葉に抵抗がありますが、犬は飼い主の指示がなければどうしていいのかわからず、結果的に本能のまま勝手に行動をします。
そうならないためもしつける前にしっかりとリーダーシップを取れるようにしておきましょう。
リーダーウォークの前に行うと良いものがヒールウォークです。ヒールウォークとは、飼い主が止まっている時は真横に座り、飼い主が歩いている時は真横で歩くことを指します。「ヒール」という指示語を出して教えます
1.手に持ったおやつを犬の鼻先に出して「ヒール」と言って犬を誘導する
2.そのまま後ろに誘導し、犬が飼い主よりも後ろに行ったら半円を描くように犬をUターンさせる
3.自分の真横についたら誘導して座らせる
4.座ったら褒めてあげておやつを上げる
1.犬をヒールポジションに座らせる
2.犬におやつをあげながら横について歩かせる
3.歩きながらおやつを見せることを繰り返し、最終的におやつをあげなくてもヒールポジションにつけるようにする
上記のことがマスターできるようになったらリーダーウォークのしつけを実践してみましょう。
ヒールウォークが出来たら実際にリーダーウォークをやってみましょう。
リーダーウォークをする前に基本的な決まりごとや準備を確認してみましょう。
呼び戻しとは「おいで」や「こい」の指示語で犬が素早く飼い主の元に戻ってくることを指します。散歩中に勝手に歩き回ってしまう犬を呼び戻し、犬の興奮を抑えて落ち着かせて歩くことを再開するようにします。
2.犬に引っ張られたら止まる犬が飼い主よりも前に歩こうとした時は一緒に進まずに止まります。止まっている最中は犬とは目を合わせず、すぐさま後ろ向きに方向転換をしてそれに犬が寄ってきたら再度歩き始めるようにします。
3.方向転換犬が行きたい方向にいくのではなく、飼い主が進みたい方向についてこさせます。飼い主の行動を瞬時に察知して犬自身が飼い主の指示に従って方向転換ができた時は少しだけ大げさに褒めてあげましょう。
まずは上記の3つのことができるようになって慣れてきたら飼い主と犬のそれぞれの動きをお互いが確認するための「アイコンタクト」などを実践しましょう。
リーダーウォークが上手くできない理由としては以下のことが考えられます。
・犬との信頼関係がまだできていない ・犬が行きたい方向や進み方に従ってしまっている ・ヒールウォークがまだできない段階でいきなりリーダーウォークを行っているなどです。
リーダーウォークが上手くいかないことで悩む飼い主さんはとても多いです。しかし、最初から誰もが上手にできることはありません。なので、まずは犬との信頼関係の見直し、少しずつ時間をかけてしつけをしていくようにしましょう。
今回は犬のリーダーウォークの方法についてをご紹介しました。犬のしつけの種類の中でも高度なしつけのため、毎日練習をしてもできないと落ち込むことも多いですが、それでは散歩やお出かけが飼い主にとっても犬にとっても楽しいものにはなりません。
時間と根気が必要なしつけですが、リーダーウォークができればその他の日常のしつけにも変化が出てきて、犬との絆が深まり、強い信頼関係が確立されるようになります。
飼い主としてのリーダーシップをしっかりと出して頑張っていきましょう。