作成日: 更新日:
目次
生後2ヶ月のチワワは「社会期」という犬にとって社会性を育む重要な時期にいます。人間にたとえると2~3歳の幼児期に該当します。見るものすべてが新しく好奇心が旺盛になる頃です。
毎日散歩に連れ出して自然にふれさせたり、いっしょに遊ぶことで社会性が育まれていきます。新しい環境に慣れてきたら、「パピースクール」などで子犬同士で遊ばせてあげるのもよいでしょう。
ただし、新しいものに何でも反応して動き回る傾向があるので、飼い主さんは衝突や落下など安全管理に気をつけましょう。チワワは身体が小さく骨も細いので、些細な事故でも大きな怪我につながることがあります。
また、この月齢の子犬は何でも噛んだり口に入れて確認したりするので、誤飲事故にも十分気をつけましょう。小さくて誤飲しそうなものはチワワの周りに置かないことが大切です。
チワワは世界最小の純血種と言われ、産まれてすぐの体重はなんと100gほどしかありません。手のひらにすっぽりと収まる位の小ささです。生後2ヶ月のチワワは1kg弱となり、産まれてから10倍に増えているとはいっても、母犬と比較するとそれでもまだ半分以下です。
チワワの体重には個体差がかなりありますが、JKC「ジャパンケネルクラブ」の規定によれば、理想体重は1.5kg~3kgとされています。幅がかなり広い背景には、チワワが人為的に繁殖を繰り返されてきた経緯が関係あるようです。
また「この犬種には体重のみが考慮され、体高は考慮されない」という記述もあり、理想体重から500g~1.5kgは許容される範囲となっています。ご自分のチワワの体高や毛の長さも考慮に入れて体重管理をしましょう。
犬の1日に必要なカロリーは「(体重×30+70)×係数」という計算式で求められます。生後2ヶ月の場合の係数は3.0ですので、体重が1.0kgとすると、
1日に必要なカロリーは、「(1.0×30+70)×3.0=300kcal」となります。
生後2ヶ月のチワワは成長期ですので、成犬より多くの栄養素を必要とします。体重の増加だけに一喜一憂する前に、きちんと栄養管理をすることが大切です。「これ位でいいかな?」と適当に餌をあげたり、欲しがるだけ与えてはいけません。
人間が思う「少量」であっても、体の小さなチワワにとっては「過剰摂取量」かもしれません。子犬用フードのパッケージ等に記載されている基準量を目安に適切なカロリー摂取をさせてください。
また、犬の肥満度チェックでよく使われるのは「両脇の肋骨が程よく触れるか」という方法です。チワワの首から背骨を指でなぞってみて、お尻まで軽く触ったときに「程よい骨の感覚」があれば大丈夫です。
目視で骨が判る場合は「痩せ過ぎ」、指で触っても骨に触れない場合は「肥満傾向」なので要注意です。ただし飼い主さんは全体的に評価が甘くなりがちなので、定期的な健康診断の際に、獣医師から客観的な体重管理をしてもらうことも肝心です。
チワワはコンパクトなため狭い室内でも問題なく飼育ができます。だからといって、運動不足や食べ過ぎで太らせてしまうと、膝や腰などの関節への負担がかかるだけでなく、呼吸および循環器の疾患、熱中症や糖尿病などのリスクが高くなってしまいます。
また、チワワは先天性疾患の可能性や目の病気やケガの心配の多い犬種でもあります。肥満のチワワが罹りやすい病気には関節系の疾患の他、次のようなものがあげられます。
チワワはもともと心臓病にかかりやすい犬種だと言われています。心臓病になってしまうと、外科手術以外での完治は望めなくなってしまいます。特に肥満は心臓病を助長しやすいので注意が必要です。
チワワは生まれつきの体の構造のせいで、膝蓋骨が脱臼してしまうことがあります。重度の場合は脱臼したまま一生を送らねばならず、炎症が起こるため痛みを伴います。
このほかにも、チワワの体の構造上、肥満は「糖尿病」などの発症リスクを高めることが指摘されています。飼い主さんはチワワの月齢の適正体重を参考にしながら、子犬のうちから食事と運動に気をつけてあげましょう。
先にお伝えした通り、チワワの体格には個体差があります。体重だけではなく、犬の体を見たり触ったりして、肉付き具合からも肥満度を判断することをおすすめします。
パピー用ドッグフードを適量、朝・昼・晩など1日3回位に分けて与えるのが基本です。
子犬は成犬の2~3倍の栄養素が必要だと言われています。発育期のため、骨や肉を作るのに必要なたんぱく質とカルシウム、そしてそれらの吸収を助けるビタミンやミネラルを含んだパピー用ドッグフードを選ぶことをお勧めします。
ドライフードの場合は、適量をお湯でふやかして柔らかくしてから与えると、消化器官への負担が軽くなります。適量とは月齢や体重、運動量によっても違いますので、ドッグフードの袋の説明書を参考にしてください。特に、チワワは体が小さいので絶対に目分量で与えてはいけません。
「生後2ヶ月のチワワは小さいから外に連れ出すのはまだ先でよい」とか、「うちの子は室内を走り回っているから散歩に連れ出さなくてもよい」と考えている飼い主がおられたら、それは間違いです。
散歩は飼い主と室内で遊ぶだけでは得られない新鮮な発見や、知らない人や犬との出会いを意味します。チワワはもとは活発な犬種なので、室内遊びの他にも、朝夕2回、30分以内の散歩をすることをお勧めします。距離にして1Km、または15分位の運動量が適切です。
散歩中に匂いを嗅ぐことで犬本来の好奇心を満足させ、自律神経のバランスを整える効果もあります。外を活発に走り回ることで、成長期に必要な体力を向上させ、有酸素運動を続けることで免疫力もつきます。
1日、18~19時間の睡眠が必要です。
チワワの平均睡眠時間は10~12時間です。睡眠時間が人間より少し長めなのは、その8割が浅い眠りの「レム睡眠」だからです。熟睡している時間が2割と大変少ないのは、もともと夜行性の犬が外敵から身を守るために眠りが浅くなったためと言われています。
2ヶ月のチワワをご家庭に迎え入れる前に、安眠できる寝床を作っておいてあげましょう。犬はその昔、薄暗い洞穴で寝ていたような生き物です。なるべく天井が低くて狭い、母犬や兄弟のぬくもりを感じられるような温かい「あなぐら」のような寝床を再現してあげましょう。
具体的には、クレートと呼ばれるプラスティックで屋根が付いた小屋の中に、柔らかい毛布やふわふわしたベッドを敷いてあげると良いでしょう。チワワは小さいので猫用ベッドを入れてあげても代用できます。
チワワは臆病で神経質な性質をしているため、ちょっとしたことでよく吠えます。「吠え」と「噛み」に関しては、チワワのしつけのもっとも難しいところです。
特に2ヶ月のチワワは母犬や兄弟から引き離された不安や寂しさから夜鳴きをします。甘噛み用のおもちゃを与えたり、一緒に遊んだり散歩をしたり、上手にストレスを発散させてあげましょう。
夜鳴きしたからといって直ぐに近寄って抱きあげたりするのはNGです。賢いチワワは「夜鳴きすると飼い主が来てかまってくれる」と学習してしまいます。心を鬼にして、そのまま無視しておくことを徹底してください。
また、寝る前に遊んで疲れさせるとよく寝てくれます。冬場は、電気毛布などを活用して母犬の体温に調節しておくことが安眠させるコツです。なければお湯を入れたペットボトルでも代用できます。
寝床とは別に、トイレシートを敷いたトイレを設置しておきましょう。3時間おきに連れて行くことを繰り返しているうち、寝床とトイレが区別できるようになります。
トイレでできたら大げさに褒めてあげていると「よいことをしたから褒められた」と理解します。トイレトレーニングは「本能と学習の関連付け」なので、生後2ヶ月のチワワであっても根気強く教えれば必ずできるようになります。