犬の骨肉腫を解説!症状・原因・治療・予防を知る

犬の骨肉腫の症状

犬の骨肉腫(こつにくしゅ)とは、骨にできる悪性の腫瘍のことです。稀に良性の腫瘍であることもあるようですが、ほとんどが悪性だと思って良いでしょう。犬の原発性の骨腫瘍としては約80%が四肢骨に認められ、なかでも骨幹端に多く発生します。

大型犬~超大型犬に多く発生が見られます。年齢的には、8歳以上の老齢犬に認められますが、2歳前後の若齢犬にも認められます。また骨肉腫は進行が早く、ほとんどが肺に転移するといわれています。

症状としては、痛みのため足を引きずる行為が多く見受けられます。足を引きずる行為は徐々に進行し、重症化すると全く負重することができなくなり、四肢を支えている筋肉が排薄化していきます。

また腫瘍が進行すると肺への転移が起こり、呼吸症状などの全身症状が生じることもあります。

犬の骨肉腫の原因

犬の骨肉腫の原因は明らかにはなっていません。

ただし、老齢の大型犬が多く発症します。具体的な犬種としては、ゴールデン・レトリーバー、グレート・ピレニーズ、ラブラドール・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどがあげられます。

犬の骨肉腫の治療・予防

骨肉腫の治療における第一の選択肢は、外科的な断脚です。激しい痛みから解放するためには、骨を含めた広範囲な切除が必須です。なぜなら、痛みはストレスとなり生体の免疫力を低下させ腫瘍の増殖を助長させてしまうからです。

切除に関しては、一般的に前肢の場合は肩甲骨を含めて断脚し、後肢では大腿骨頭から断脚されます。ただし、手術後の予後はそれほどよくはなく、余命は半年あるかどうかで、化学療法を併用した場合でも10ヶ月程度です。

術後は生活の負担を減らすために、義肢を装着してあげることも検討してあげてください。

患部の肢の温存療法は、その部位によっては可能ではありますが、合併症を伴うことが多いため、推奨はされません。全身的な化学療法は、転移や腫瘍の増殖を遅らせるための補助療法として用いられます。

また予防方法に関しては、明確な予防は残念ながら現在はありません。骨肉腫と判断されたときには、すでに肺に転移していることが多いといわれています。少しでも、足が腫れていたり、足を引きずって歩くような仕草が見受けられた場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

日頃からマッサージをすることで、しこりを見つけるなど、異常を早めに知ることも可能です。普段から愛犬とのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。

犬の腫瘍の病気一覧

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演