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フラットコーテッド・レトリーバーがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。
「フラッティ」という愛称を持つフラットコーテッド・レトリーバーは、イギリス原産の犬種です。狩猟犬として活躍しており、水中における鴨の運搬だけでなく、陸上においても獲物を傷つけない回収犬として重宝がられていました。名前の由来は、被毛が体の表面に対してフラットだったことによります。
1800年代初頭に、ニューファンドランドや小型のレトリーバーなどの泳ぎが得意な犬種に、鋭い嗅覚をもつセターなどを掛け合わせて誕生したと考えられています。
このフラットコーテッド・レトリーバーが初めて犬種としてドッグショーに出展されたのは1860年の、イギリス・バーミンガムでの展示会でした。
そのころのフラットコーテッド・レトリーバーは、波状の巻き毛を持つウェービーコーテッド・レトリーバーの姿でした。
このウェービーコーテッド・レトリーバーの祖先は、さらに巻き毛が強いカーリーコーテッド・レトリーバーと呼ばれる、イギリス最古のレトリバーです。カーリーコーテッド・レトリーバーは希少犬種として現在も主にイギリスに存在しています。
ウェービーコーテッド・レトリバーが現在の直毛を持つフラットコーテッド・レトリーバーの姿になったきっかけは、鳥猟の発達とともにより深い山に入るようになった猟師たちが、川を渡ることを厭わない猟犬を求めるようになったことでした。
このことをきっかけとして、波状毛で撥水効果が低かったウェービーコーテッド・レトリバーは、直毛の犬種との交配によって改良固定され、現在のフラットコーテッド・レトリーバーが誕生することとなりました。
1864年のショーに出展した2頭のメスのフラットコーテッド・レトリーバーによってこの犬種の評価が高まり、本格的な繁殖が始まります。
また、優雅な容姿と猟犬としての働きの良さで、フラットコーテッド・レトリーバーの人気はますます高まっていきました。
しかし、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーの人気が上昇していくにつれ、フラットコーテッド・レトリーバーの人気は下降の道をたどります。
さらに、第2次世界大戦中で犬を飼うということが難しいという歴史的背景も逆風となり、とうとうフラットコーテッド・レトリーバーは絶滅の危機に陥りました。
その危機を救ったのがフラットコーテッド・レトリーバーの愛好家たちでした。第2次大戦後、愛好家たちによりわずかに残った固体からフラットコーテッド・レトリーバーを復活させようといった復興計画が進められ、ようやくフラットコーテッド・レトリーバーは復活することとなり現在に至ります。
フラットコーテッド・レトリーバーは、垂れ耳の大型犬で、しなやかな長めの直毛に覆われており、軽快に歩くという特徴があります。
毛色はブラック(黒)または、レバー(濃い赤褐色)です。最近はイエローのフラットコーテッド・レトリーバーも出てきているようですが、スタンダードとしては認められていません。
ラブラドールやゴールデンなど、ほかのレトリーバー種ほど胸幅や腰幅はありませんが、筋肉はしっかりとついています。
体高はオスの場合59~61.5cm、メスの場合は56.5~59cm、体重はオスの場合27~36kg、メスの場合は25~32kgほどです。
フラットコーテッド・レトリバーは陽気で明るく楽天的で友好的です。
また、高い学習能力の持ち主でもあります。そのため、しつけがやりやすく、物覚えもいいです。
運動好きという特徴もあります。
フラットコーテッド・レトリバーは外出できないだけでもストレスとなってしまうことがあるため、まずは充分な運動量を確保してあげることが重要です。たくさん運動させて、欲求不満を取り除いてあげましょう。
大型犬で体力も十分にあり活発な犬種ですので、散歩の時間は朝と夕方、それぞれ60分はとりましょう。
普通の散歩だけでなく、自転車との並走やドッグランで思い切り走らせてあげるといいでしょう。
ボールなどを投げて拾わせるといったレトリービングが大好きな犬種でもあるので、アジリティで遊ぶのも良いでしょう。
また、水泳が得意な犬種でもあるので、海や川などで泳ぐことも大好きです。
高い身体能力があるため、子犬の頃から他の犬や飼い主とのふれあいを行い、社会性を身につけさせてから飼う必要があります。
もともとは猟犬として活躍していたため、噛み癖やものを追いかけるといった本能があります。噛み癖はしっかりとしつけないと、大事故につながる可能性がありますので、子犬のうちからしっかりとしつけを行いましょう。
学習能力が高く、しつけがしやすいといわれているフラットコーテッド・レトリーバーですが、陽気な性格のため楽しいと思うことがある場合には指示に従わないこともあります。
ダブルコートの被毛ですが直毛なので、お手入れは難しくありません。週に1回の頻度でブラッシングしてあげましょう。