ダルメシアンの病気・ケガ・性格を解説

ダルメシアンがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

ダルメシアンの特徴

ダルメシアンの歴史

ダルメシアンが生まれた土地は、ヨーロッパの数か所や、エジプト、インドなどと言われ、そのいずれにもそれらしい記事が残っているため、どこで作られた犬なのか未だにわかっていません。

ダルメシアンという犬名が生まれたのは18世紀になってからです。1771年、イギリスの自然史家トーマス・ペナントが、この犬の起源をクロアチアのダルマチア地方とし、自らの著書の中で「ダルメシアン(Dalmatian)」と記したのが最初とされます。

出自が混乱する理由として、ダルメシアンはジプシーや地方旅商人の犬として各地を回っていたため広く記録が残ったからという説があります。ダルメシアンは万能犬で、猟犬、僕畜犬、番犬など様々な役割を器用にこなしてきました。その能力の中でも特筆すべきなのは「馬を先導して走る」という芸当であるといえます。

万能であるがゆえに、様々な役割を与えられたダルメシアンたちはその記録の多さが成り立ちを惑わせていますが、現代のダルメシアンも馬に対して抵抗が無く、怖がらずに親しんでいく個体が多いため、旅する人々の伴走犬であったという説が有力視されています。

原産地は不明であったものの、19世紀後半になるとイギリスで犬種標準が定められることとなりました。

その美しい外見から、この頃のイギリスはじめヨーロッパ各国で貴族や富裕層の犬として持てはやされており、ダルメシアンを早くに犬種公認したイギリスでは、貴族が所有する四輪馬車の伴走をする姿の美しさに人気が集まったのです。

20世紀に入ると自動車の普及によって、馬車の伴走犬としてダルメシアンは失業してしまい、一時ほどの人気は無くなってしまいましたが、この犬種を主人公にした映画のヒットにより、一般家庭でも広く飼われるようになりました。しかし、残念なことに、この犬特有の聴覚障害などで飼育の難しい個体も多くおり、飼いきれなくなって手放されるなどの反動を伴い、人気は一時的なブームに終わってしまいました。

アメリカでは、ダルメシアンは消防署のマスコットになっていますが、これは車の無い時代から、消防馬車の伴走犬を務めていた歴史によります。

ダルメシアンの大きさ・見た目

ダルメシアンは白地に無数の斑点という独特の毛並みで知られている大型犬です。

垂れ耳で、滑らかな短毛に覆われた筋肉質な体格をしています。大型犬ですが、ややコンパクトなため、中型犬に分類している国もあります。

また、ダルメシアンは先天性聴覚障害が最も多い犬種で、アメリカの調査では全体の20%が片耳、あるいは両耳が聞こえないというデータもあります。これは、毛色の白の遺伝子により起きる現象で、斑の色や性別には関係なく起こります。ブルーアイの個体には非常に起こりやすく、パッチ(斑点の面積が大きいもの)がある個体には起こりにくいという特徴があります。

ダルメシアンの毛色は白地に、輪郭のはっきりしたコイン代の黒またはレバー色の斑点があります。ブラックとブラウンやレバーが混合されていないことが好ましいとされています。

体長は48~58cm、体高23~25㎏、平均寿命は10~13歳ほどです。

ダルメシアンの性格

ダルメシアンは活動的で好奇心旺盛な性格で、活気がありアクティブに生活することを好みます。

しかし、その反面人見知りが強く、他人や他犬には警戒心を見せることもあります。また、頑固で譲らない面もあります。

優しい性格なので、小さい子どものいる家庭にもおすすめです。

ダルメシアンを飼うときの注意点

ダルメシアンはとてもエネルギッシュで活発です。とにかく走ることが好きなので、毎日1~2時間の散歩が必要です。走るという点での運動能力は高いものの、不器用な面があるので、ドッグスポーツやディスク競技などは上手くこなせない個体も多いようです。

人見知りな面があるので、親しくない来客には思わぬ反応を見せることがあります。特に初対面の子どもには注意が必要で、家族に対しても気の荒い面を見せる個体も少なからずいることから、子犬の頃からしっかりとしつけや訓練を行い、従順に扱いやすくなるように育てていくことが大切です。

ダルメシアンは賢く、飼い主に従順なので、しっかりとしたコミュニケーションさえ取れれば、トレーニングに苦労することは無いでしょう。散歩や運動の時間にコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておく必要があります。

しつけで注意する点は、間違えたことを学習させないことです。

ダルメシアンは一度覚えた命令を性格に把握できますが、逆に間違えたことを一度覚えさせてしまった場合も、忘れさせることは困難です。常に正しい命令を下す必要があります。

なお、聴覚障害のある個体は、耳が聞こえにくいことで状況が把握しづらく、恐怖心が強くなりがちで、吠える、咬むなどの問題行動を起こすことがあります。

聴覚障害のある犬と暮らす場合は、生活に工夫と努力が必要です。視符(ハンドサイン)などの訓練が求められるため、子どもや老人のいる世帯や初めて犬を飼う世帯には大変難しいものと言えます。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演