2023年12月1日
「安楽死」に対する当院の考え方
アニホック往診専門動物病院からのお知らせ
「安楽死」に対する当院の考え方
安楽死については必ずお電話にてお問い合わせください。
TEL:03-5730-1335
当院では、「安楽死」を獣医療において重要な選択肢の一つと考え、飼い主様とのご相談とペットの状態によって処置をお受けしています。ただし、「安楽死」を行うことは慎重な判断と深い理解を伴うものです。
飼い主様と同様に動物の命を大切にする獣医師にとって、「安楽死」という選択は非常に大きな葛藤を伴うものです。獣医師もまた、人としてペットを愛する者であり、その命に向き合う存在です。「安楽死」という行為を行うことは、獣医師にとっても大きな精神的負担を伴います。本音を言えば、「できることなら自分の手で行いたくない」と感じることもあります。
一方で、動物が回復の見込みがなく、耐え難い苦痛を抱え続けている場合、安楽死は苦しみを終わらせるための選択肢として、必要不可欠な医療行為であり、動物たちの苦しみを取り除くことができるのは獣医師だけです。
そういった意味で、当院では安楽死を「場合によっては必要とされる医療行為」と考えています。
こちらの記事では、当院が「安楽死」という医療行為に対してどのように向き合い、どのような基準で判断を行っているかを詳しくお伝えいたします。
目次
安楽死を判断する基準
当院では、安楽死を行うか否かを判断する際に一定の基準を設けています。この基準は、飼い主様と獣医師の双方が納得のいく判断を行うための指針です。
安楽死処置を行う可能性が高い状態
- 医学的に回復の見込みがない場合
ペットが明らかに苦しんでおり、その苦痛を取り除く方法がないと医学的に判断される場合。 - 慢性疾患の末期で死期が迫っている場合
これ以上の治療が動物の負担を増すだけで、苦痛の軽減に繋がらない状況。 - ペットと家族の幸せのための決断
安楽死を行わないことでペットやその家族がさらなる苦痛や不幸を抱えると判断される場合。 - 獣医師が納得できる判断
実際に安楽死処置を行う獣医師が、その行為に倫理的・医学的に納得できる場合。
安楽死処置をお断りする可能性が高い状態
- 医学的に回復の見込みがある場合
十分な治療やケアを行えば改善が見込める状況。 - 慢性疾患であっても末期ではない場合
治療を継続することで動物の生活の質を保てると判断される場合。 - 動物自身が生きようとする意思を示している場合
疾患があっても食欲があり、活力を見せている場合は安楽死をお勧めしません。 - 診察や検査が十分でない場合
十分な診察や検査を経ずに安楽死を希望される場合には対応をお断りすることがあります。 - 獣医師が納得できない場合
獣医師が倫理的に行うべきでないと判断した場合、安楽死処置は行いません。
獣医師の価値観と安楽死への対応
獣医師もまた一人の人間であり、価値観や倫理観には個人差があります。当院では、組織として一定の方針を設けていますが、最終的には担当する獣医師の判断が重要となります。そのため、同じケースでも獣医師個人によって対応が異なる場合があることをご理解ください。
最後に
安楽死は動物医療における最も重い決断の一つです。当院では、飼い主様の心に寄り添いながら、責任ある対応とペットとそのご家族が最後まで幸せに過ごせるようサポートしますので、まずはご相談いただけますと幸いです。