ストレスなのかも?猫の異常な毛づくろいの原因と対策

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猫の毛づくろい

「愛猫がしょっちゅう毛づくろいをしている」

「猫がきれい好きなのは知っているけど、あまりにも頻繁に毛づくろいをしているのでなんだか心配」

そんな経験はありませんか?

毛流れをきれいに整えているだけならまだしも、同じところを何度もなめたり、噛みすぎたりして毛がはげてしまったり、イライラしながら毛づくろいをしているところをみると、体のどこかがおかしいのか不安になってしまいますよね。

それにしても、何故猫はここまで毛づくろいをするのでしょうか?一体その原因にはどんなものがあるのでしょうか?

そもそも猫ってなぜグルーミングするの?

グルーミングとは、毛づくろいのことです。

猫が毛づくろいをする、もはやこれは猫の日課といっても過言ではないでしょう。猫は、実に1日の3~4割程度をグルーミングしながら過ごしているのです。

猫がグルーミングをする理由の1つが、猫がとてもきれい好きであることにあります。猫は自分でお風呂に入れませんので、その日毛についた汚れなどを、自分で舐めて綺麗に落としているのです。

また、絡んだ抜け毛などを噛んだりほぐしたりして取り除いたりもします。こうすることで、同時にダニやノミなどの感染症から自分を守っているのです。猫は狩りをする動物なので、その都度臭いを消すためにグルーミングをするとも言われています。

体温調節ができない猫は自分の毛や足を舐めてこもった熱を発散させます。他にも毛づくろいする面白い理由があり、なんとビタミンDを自分の毛から摂取しているのです。猫は人間と同じように紫外線を浴びることでビタミンDを合成します。

そのため、日光を浴びた毛を舐めてビタミンDを体に蓄えるのです。こんな理由もあるなんて、すごいですよね!また、猫は緊張している時など、気持ちを落ち着かせたい時にもグルーミングをします。一日の終わりなど、リラックスしている時に舐めるのも心が落ち着いている証拠のようです。

猫同士がぺろぺろと舐め合っているのはコミュニケーション行動によるものです。不思議なことに、猫も信頼関係が結ばれていないとお互いを舐め合う事はないのだそうです。

異常な毛づくろいはストレスのせいかも?

猫が毛づくろいを頻繁にする理由が様々あることはわかりましたが、それでは異常な毛づくろいについてはどうなのでしょうか?猫があまりにも長時間毛づくろいをしていたり、頻繁に噛みつくなどの激しいグルーミングをするような時は、ストレスや病気があるかもしれません。

先にも書いたように、猫が何かストレスを感じている時は心を落ち着かせるためにグルーミングをするのですが、あまりにストレスが強いと同じ場所を執拗になめ続けてしまい、その結果皮膚に傷をつけたり、毛がはげたりしてしまうこともあるのです。

猫のストレスの原因は実にさまざまです。運動不足によるもの、引越しや飼い主に赤ちゃんが産まれたなど、暮らしている生活環境の変化だったり、近隣の騒音など、大きな音などでもストレスを感じる事があります。また、一緒に生活する猫が増えた時は特に注意です。

慣れないうちは共同生活をするだけでストレスを抱える猫がいます。このように、猫は意外に神経質でデリケートな動物なのです。また、病気ではアレルギーによる皮膚炎がある場合など、皮膚がかゆくて何度もなめたり噛んでしまうことがあります。

異常な毛づくろい対策は?

では、異常な毛づくろいにはどのような対策をすればよいでしょうか?まずは、猫がどんなストレスを抱えているのかを見極め、その原因を取り除いてあげることが大切です。一番分かりやすい方法として、最近何か猫の周辺で変わった出来事がなかったかを疑ってみます。

大きな環境の変化などがあった場合は、出来る限り猫が落ち着いて生活できるよう、落ち着ける居場所を作り、飼い主は構いすぎないようにしましょう。猫があまりにも毛を噛みすぎて出血したり、傷ついたりするおそれのある場合は、エリザベスカラーを使用するといいでしょう。

アレルギー性の皮膚炎の場合は、強いかゆみを伴うため何度も同じ場所を舐めたり噛んだりしがちです。その場合にはステロイドを含む薬など、投薬による治療がおすすめです。アレルギーの場合は、原因物質であるアレルゲンを特定するのが難しいですが、動物病院ではアレルギー検査もできますので一度原因を特定してもらうといいでしょう。

また、グルーミングがあまりに頻繁だからといって、飼い主がしかりつけたり無理やり止めさせるようなことはやめましょう。飼い主の気持ちを察知した猫は、ストレスを感じて余計にグルーミングをするようになってしまいます。

賃貸住宅など、家の中だけや狭い場所で飼っている猫の運動不足には、少し運動をさせてあげましょう。猫じゃらしなどのおもちゃを使って少し走らせたり、キャットタワーなどを設置して高い所に登らせてあげるのもストレス発散につながるのでいいですよ。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演