メインクーンとノルウェージャンの抜け毛対策とは?

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メインクーンとノルウェージャンの抜け毛対策って何がある?

メインクーンやノルウェージャン等の長毛種の猫を飼う場合、抜け毛対策は必須です。特に春と秋は換毛期に当たるため、毎日掃除機を掛けなければ抜け毛が宙に舞うこともあります。

そんな状態を阻止するため、以下ではメインクーンやノルウェージャンの抜け毛対策をご紹介します。

ブラッシング

最も基本的な抜け毛対策はブラッシングです。ブラッシングは少々手間が掛かりますが、元から抜け毛を絶つことができるため、抜け毛対策の中で最も効果的です。

またメインクーンやノルウェージャン等の長毛の猫は、ピンブラシと呼ばれる人間用のヘアブラシに類似したタイプがおすすめです。

ピンブラシは先端が丸くなっているタイプが多いのですが、あまり強くブラッシングをすると皮膚を傷付けてしまうため、ブラッシングの際は飼い猫が痛がらない程度の強さで行って下さい。

またブラシ以外にもグローブ状になっているタイプも市販されています。これは飼い猫を撫でるついでに抜け毛も集められるため、ブラッシングが苦手な猫におすすめです。

シャンプー

シャンプーはお風呂が得意な猫に有効です。多くの猫は水が嫌いであり、シャンプーも嫌がります。飼い猫にストレスを与えないため、強引に洗わず、優しくシャンプーをして抜け毛を減らしましょう。

もしシャンプーが可能な場合は、1~2ヶ月に1回のペースが望ましいです。ちなみにシャンプーは必ず猫用のシャンプーを使用しましょう。人間用のシャンプーは皮脂が落ちすぎてしまうため、炎症を起こす場合があります。

濡れタオルで拭く

水が嫌いな猫でもお湯で濡らしたタオルや蒸しタオル等であれば平気な場合があります。

ブラッシングやシャンプーが嫌いな猫の場合、濡れタオルで体を拭くのも効果的です。ブラッシングやシャンプー程ではありませんが、ある程度抜け毛を集めることができる上、被毛をキレイにすることもできます。

以上の抜け毛対策を行うことで、猫だけでなく部屋も清潔に保てます。部屋に落ちた抜け毛は空中に舞ったりハウスダストの原因になったりするので、空気清浄機を併用するのもおすすめです。

筆者は実際にペット用の空気清浄機を使用しています。抜け毛やペット臭を取り除いてくれる上、淀んだ部屋の空気が明るくなるのを実感しているので、ペットによる抜け毛等に悩んでいる飼い主さんには特におすすめです。

メインクーンのブラッシングの方法を詳しくご紹介!

それでは実際に、メインクーン等の長毛種の猫のブラッシングの方法についてご紹介します。

まずは飼い猫が落ち着いた状態であることを確認して下さい。落ち着きが無い状態でブラッシングを始めると抵抗する場合があります。飼い主さんの膝の上に乗る習慣がある猫の場合は、そのタイミングがベストです。

飼い猫の皮膚を傷付けない様、軟らかいブラシや先端が丸くなっているブラシの準備ができたら、実際にブラシを通していきましょう。

頭のブラッシング

まずは頭をブラシで撫でる様に梳かします。嫌がる様子がなければそのまま数回ブラッシングをして下さい。

筆者の飼い猫は頭をブラッシングすると、気持ち良さそうに頭をブラシに強く押し付けてきます。ブラッシングをしながら、飼い猫の好みの強さを見極めましょう。

首から尻尾にかけてのブラッシング

頭の後は、首、背中、腰、お尻、尻尾の順にブラシで梳かしていきます。優しく毛の流れに沿ってブラッシングをして下さい。

長毛種は毎日ブラッシングをしても、被毛が絡まっていることが頻繁にあります。力任せに梳かすと痛がるため、少しずつ梳かしたり目の粗いブラシで梳かしたりしましょう。

お腹のブラッシング

最後にお腹です。お腹は猫にとって触られたくない部位であるため、最後にブラッシングをして下さい。ブラッシングの途中でお腹に触れてしまうと嫌がられ、その先のケアができない場合があります。

猫の背中にブラッシングをしたときと同様に、優しく接しながら猫のペースに合わせて行いましょう。

ちなみに集めた毛が舞い上がるのを防ぐためには、ブラッシングをする直前に飼い猫の体を濡れタオルやブラッシングスプレー等で湿らせておくと効果的です。

ブラッシングのメリット、換毛期以外の抜け毛の原因とは?

ブラッシングは抜け毛対策だけでなく、飼い猫との触れ合いにおいても非常に重要です。気まぐれな飼い猫の全身を毎日触る機会はあまり無いため、ブラッシングを通じて全身のチェックをすることは非常に大きなメリットです。

ブラッシングにより部分的な脱毛や発疹、できもの等の皮膚疾患を見つけることができれば、それだけ早く治療を始められます。以下ではメインクーンやノルウェージャン等の換毛期以外の抜け毛の主な原因をご紹介します。

ノミ・ダニアレルギー

外に出ることが多い猫や同居の動物が外に出ることがある場合、ノミやダニによるアレルギーが考えられます。飼い猫が痒がって執拗に毛繕いをしている様子があれば、動物病院で受診することをおすすめします。

食物アレルギー

近年増加している抜け毛の原因は、食物アレルギーです。キャットフードを変えたら脱毛し始めたというケースは少なくありません。このようなケースの場合、動物病院でアレルギー検査を受けても良いでしょう。

アレルギーの対象となっている食品を避けるだけで対策ができるので、特定のキャットフードに切り替えてから抜け毛が気になりだしたり、今まで食べていたキャットフードを食べたがらなかったりする場合は要注意です。

皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)

皮膚糸状菌症は別名、猫カビとも呼ばれています。原因は皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(カビ)であり、部分的に脱毛を引き起こします。また脱毛部位の大きさは様々で、痒みが出る場合と無症状の場合があります。

他の動物や人間からも感染することがあるため、同居の動物にも同様の症状が見られないかよく確認して下さい。

疥癬(かいせん)

疥癬はヒゼンダニと呼ばれる小型のダニが原因により起こります。ヒゼンダニは皮膚に穴を掘り、その中で産卵を繰り返します。

特に外出が多い猫に見られ、強い痒みが特徴的です。痒過ぎるあまり猫は患部を強く引っ掻いたり噛んだりするため、患部がえぐれてしまうことがあります。するとそこから二次的に他の病原体に感染するリスクが高まります。

またヒゼンダニは他の動物にも感染するため、飼い猫が強く痒がる場合は動物病院で検査を受けることをおすすめします。

猫ニキビ

猫の体の一部に黒いぶつぶつができ、周りの毛が抜ける場合、猫ニキビが考えられます。特に顎によく見られ、その他下唇や尻尾の付け根、オスであれば陰嚢(いんのう)にも見られることがあります。

ニキビが化膿して炎症を起こした場合、ざ瘡(ざそう)と呼ばれることもあります。患部が露出してしまうと他の病原体の感染のリスクも高くなるため、悪化する前になるべく早く治療しましょう。

また猫ニキビは皮脂の分泌が多い猫やグルーミングが苦手な猫に多く見られます。筆者の飼い猫も発症し、動物病院で受診したことがあります。しか軽度であれば、患部を清潔に保てば服薬を必要としませんでした。

ストレス

猫はストレスを感じるとグルーミングを繰り返します。しかしグルーミングが過剰になると毛が抜け過ぎてしまい、結果的に毛が薄くなってしまいます。ストレスによる脱毛は、急な環境の変化があった場合等によく見られます。

これらはストレスの場合を除き、部分的な脱毛が見られる場合が多いです。かゆみやフケ、発疹が伴う場合も多いので、よく観察しましょう。

また猫は自分を落ち着かせたい時にグルーミングをします。ブラッシングも同様に、マッサージ効果やストレスを解消する効果があります。

このようにブラッシングには抜け毛対策以外にも様々なメリットがあります。抜け毛がそれほど気にならないメインクーンやノルウェージャンでも、毎日のブラッシングは積極的に取り入れましょう。

メインクーンのブラッシングの頻度とは?慣れさせるコツは?

メインクーンは長毛種であるため、抜け毛はかなり目立ちます。

そのためブラッシングの頻度は、1日1回が望ましいです。飼い猫が長時間のブラッシングを好まない場合は、1回あたりのブラッシング時間を短くし、数回に分けて行うことがおすすめです。

しかし春と秋は換毛期に当たるため、1日1回ではブラッシングの回数が不十分です。健康な状態且つ、いつもより抜け毛が多いと感じたら、ブラッシングの回数を1日2~3回に増やしましょう。

ブラッシングは子猫の時期から慣れさせることが重要です。ブラッシングが気持ち良いことと学習していれば、メインクーンはブラシを見せると自分から寄ってきます。

しかし子猫の時期にブラッシングで痛い思いをした場合、ブラッシングが嫌いになってしまうことがあります。その様な場合はグローブ型のブラシやシャンプー等、通常のブラシを使わない方法を選択しましょう。

初めてブラッシングをする場合、まずは徐々に慣らしていくことを意識して下さい。初めは頭だけ、慣れてきたら首から体へと、飼い猫が嫌がらない範囲で続けることが重要です。

またブラシを当てている間は飼い猫の表情をよく確認するようにしましょう。短時間から徐々に慣らしていけば飼い猫もブラッシングが気持ち良いことを学習し、やがて長時間のブラッシングでも抵抗をしなくなります。

抜け毛が原因でなるメインクーンの病気とは?

猫は基本的に自分で自分の体をグルーミングします。その時口に入った抜け毛は吐き出すか排泄物と共に体外へ排出していることが殆どです。

しかしメインクーンやノルウェージャンは長毛種の上に大型種ため、抜け毛の量が普通の猫よりとても多いです。そのため飲み込んだ毛が胃や腸の中で毛玉となり、吐き出すことも排泄することもできないことが稀にあります。

これは毛球症(もうきゅうしょう)と言い、最悪の場合胃や腸に毛玉が詰まって手術が必要になります。

いつも自分でグルーミングをしている猫で、嘔吐や下痢、元気や食欲が無い等の消化器症状が見られる場合は毛球症が疑われます。早い段階で動物病院で診察を受けましょう。

ブラッシングやシャンプー等の抜け毛対策は掃除が楽になるだけでなく、毛球症予防にも大変重要です。飼い猫の健康のためにも、必ず抜け毛対策は行いましょう。

また最近では毛玉ケア用のキャットフードもあり、普通のキャットフードよりも少し高価ですが、ブラッシング等の抜け毛対策と併せて行うと効果が見込めます。

一番効果的且つメリットも大きいのはブラッシングですが、ブラッシングが嫌いな猫もいます。抜け毛対策は1種類ではないため、飼い猫に合った方法を実践しましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演