トンキニーズの病気・ケガ・性格を解説

トンキニーズがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

トンキニーズの特徴

トンキニーズの歴史

トンキニーズはシャム猫とバーミーズのハイブリッド種ですが、やや込み入った歴史があります。

そもそもバーミーズ自体がシャムの異種交配から生まれた猫種であり、これに「戻し交配」という繁殖技術が加わって、わかりにくい成り立ちになってしまいました。

トンキニーズの成り立ちを説明するためには、その親猫と兄弟猫の説明からしなくてはなりません。

1930年、アメリカの軍人であり、猫愛好家で繁殖の研究を行っていたトンプソン氏が、ミャンマーからアメリカに1頭の猫を持ち帰りました。この猫は、美しいチョコレート色の被毛を持つメス猫で、「ウォン・マウ」と名付けられます。この猫は自らが生んだ子猫により、トンプソン氏と共に猫種の歴史に名を残すことになりました。

トンプソン氏は最初に、ウォン・マウをシャム猫と交配させました。ウォン・マウには元々シャム猫の血が入っているとされていたので、これが1度目の戻し交配にあたります。

さらにトンプソン氏は、ここまで生まれた子猫を母猫のウォン・マウと交配させ、これが2度目の戻し交配となりますが、この時に生まれた子猫は3つのタイプになりました。

1匹目は祖父猫と同じシャム猫の特徴が強いポイントがあるもの。2匹目は全体が濃いブラウン単色のもので、この猫はその後にバーミーズとして育種されることとなりました。3匹目は母猫であるウォン・マウと同様に、美しい茶色い被毛にさらに濃いポイントを持ち、母猫ウォン・マウとこの猫が最初のトンキニーズとなりました。

バーミーズとトンキニーズはシャム猫を媒介にした、兄弟猫であり、いとこ猫でもあったのです。

バーミーズはその後の繁殖計画と選択交配により、基礎猫のシャムとは異なる特徴が際立ち、新しい猫種として公認を得ることとなりましたが、一方トンキニーズは、当初ウォン・マウとその子猫のように美しいチョコレートブラウンのポイント毛色や、さらにその子世代ではゴールデンシャムと呼ばれるほど美しい毛色が際立っていましたが、交配で世代が進むにつれ毛色は淡色化して特徴を失い始めました。猫の血統登録団体は近親交配への懸念から、新しい猫種としてトンキニーズの公認を見送るようになりました。そこでトンキニーズを愛好する繁殖家たちはトンキニーズ協会を設立し、独自のスタンダードを制定しました。そして、遺伝性疾患の多いシャムとバーミーズから健康な個体を選んで選択繁殖を続け、トンキニーズを確立しました。

こうした努力の結果、1974年にカナダで初の新猫種登録を受けると、1979年にCFAとTICAに公認され、2001年からは混血種分類から純血種分類に変わっています。

なお、オランダで生まれたセミロングヘアータイプのトンキニーズは、時に「チベタン(Tibetan)」と呼ばれることもあります。

名前の由来については元々、「South Pacific」というミュージカルに登場する「Tonkanese(トンカニーズ)」という島にちなんで「トンカニーズ」と呼ばれていましたが、シャムやバーミーズ同様、「発祥の地にちなんで名づけたのだろうという誤った認識が流布し、次第に「Tonkinese」というつづりに変化し、それに呼応して読み方も「トンキニーズ」に変わっていったようです。

トンキニーズの大きさ・見た目

トンキニーズは筋肉質でがっちりした体格を持つ、中型のセミフォーリンタイプです。

ゆるやかなくさび型の頭部に少し離れた耳、アーモンド形で少しつり上がった目をしています。

トンキニーズはシャム猫を基礎に作出したために、同様のシールポイントを持つ個体が多くありますが、全体的にシャムよりも丸みを帯びたラインで、しなやかで重量感のある体と美しい被毛の手触りから、抱き上げたときに「ミンクのコートを抱えたようだ」と形容されることもしばしばあります。

毛色はポイントを含む固有のコートパターンと、チョコレート、ライラック、ブルーグレー、シャンパンなどの毛色があり、ホワイトは認められていません。

体重2.7~5.5㎏、平均寿命は12歳~16歳ほどです。

トンキニーズの性格

トンキニーズは活発で好奇心が強く、なんにでも興味を示して行動するという大胆な面もある性格です。

家族に親しみ、子どもの相手も上手にこなし、人間や他の猫、犬などのペットとも仲良くできます。

人見知りの少ない無邪気な性格で、いつまでも子猫のような懐っこさがあります。

トンキニーズを飼うときの注意点

事故に注意

好奇心旺盛で活発なトンキニーズは、運動量の多い猫なので、走り回れる環境やキャットタワーなどで運動不足にならないようにしてあげることが大切です。

しかし、飼い主がいない時、室内飼いであっても思わぬ事故に遭遇してしまうことが多々あります。

例えば、水に興味を示して、お風呂場やトイレに侵入し、溺れてしまうケースも少なくないため、十分に注意しましょう。

また、強い好奇心から一度脱走をしてしまうと帰ってこなくなる可能性が非常に高いため、脱走防止用の柵を用意したり、戸や窓を開けっ放しにしないようにして気を付けましょう。

空調管理が大切

トンキニーズは寒さに弱い猫種なので、冬場は暖房を、また夏場クーラーを使用する際は、体が冷え過ぎてしまうこともあるので、室温は28℃前後で保つようにしましょう。

手入れはほどほどに

トンキニーズは短毛種のシングルコートなので、手入れはかなり楽だといえます。ですが、ブラッシングはきちんとしてあげるようにしましょう。

ブラッシングの頻度は1日1回程度で、被毛の光沢感が明らかに見られなくなってきたとき、月に1回ほどの頻度でシャンプーをしてあげるのもオススメです。

その際、人間用のシャンプーを使用すると猫に合わない成分から中毒症状に陥ってしまう恐れがあるので、必ず猫用のシャンプーを使用するようにしてください。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演