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グレート・デーンがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。
グレート・デーンはドイツ原産でドイツを代表する犬であり、ドイツでは「ドイチェン・ドッゲ(Danische Dogge)」が正式の名称です。
イギリスと並ぶ愛犬国ドイツが誇りとする犬であり、1880年のドイツで初めてスタンダード(犬種標準)が定められた時、この名がつけられました。
しかしながらドイツ以外の国では「大きな」「デンマークの」を意味するグレート・デーンの名前が広く使われています。原産国ドイツでも古い時代の記録には「デンマークの大きな犬」を意味する「デニッシュ・ドッゲ(Danische Dogge)」と呼ばれていた時代がありました。
グレート・デーンの祖先は、マスティフであったと推測されています。およそ400年前の17世紀ころから、マスティフにドイツの土着犬が交雑した犬が、使役の目的や毛色に応じていくつかのタイプに分かれていったのが始まりのようです。
あるものは猟犬の気質を認められ、別の個体はハウンドドッグの仕事をし、また軍用として使われるなど、犬種としては幅広い動きで古くから人間のそばにいました。特にこの体の大きさは、大きな害獣を駆逐するのに役立ち、イノシシのような手ごわい相手にも勇敢に立ち向かっていました。
大きな体に強い心と体を持ち、堂々としていて、生活の場では穏やかで優雅でさえあるグレート・デーンは、真に強く美しい存在の象徴として、上流階級のステイタスシンボルとして迎えられました。神話に登場する最上級の神である太陽神アポロンになぞらえて、「犬の中のアポロ」とまで呼ばれるようになりました。
1891年にはドイツで、さらに詳細で具体的なスタンダードが定められ、数年ごとに内容を検討されながら現在に至ります。
住宅事情に余裕のあるアメリカでは、原産国のドイツに劣らぬほど受け入れられ、愛されている犬の一種であり、これだけの身体の大きさにも関わらず、2017年の飼育頭数ランキングでは14位に位置しています。
日本に入ってきた洋犬としては意外と早く、明治のころに輸入されて、土佐犬などの改良に使われたと伝えられています。
犬名の「グレートデーン(great dane)」とは、「大きなデンマーク人」という意味ですが、これはフランス人博物学者ビュフォンがデンマークを訪問した際、たまたまこの犬を見かけ、「Grand Danois(巨大なデンマーク人)」として自国に紹介したことに由来してします。しかし、この犬種の誕生にデンマーク人は全く関与していませんので、極めて奇異なネーミングとなりました。
ドイツ国内では「Deutsche Dogge(=German Mastiff)」という穏当な呼び名で通っており、国犬にも指定されています。
グレート・デーンは体長と体高がほぼ同じ長さで、短毛の超大型犬です。頭部はやや大きく、明確なストップがあり、咬合はシザーズバイトです。
垂れ耳ですが、イノシシと格闘する際の怪我を予防するという目的でかつては断耳を施されてきましたが、現在は多くの国でこの習慣が禁止されており、ピンとたった耳を持った方が珍しくなってきました。
グレート・デーンの毛色は、フォーン、ブリンドル、ブラック、ブルー、ハールクイーン(ホワイトの地色に黒系の斑点が散らばる)が認められています。また、肩から尾にかけて胴体を覆うマントと呼ばれる毛色の分布があります。
公認されていない色はこれ以外にもあるようですが、繁殖は禁止されています。
体高はオス76~81cm、メス70~76cm、体重はオス50~54㎏、メス40~45㎏、平均寿命は8歳~10歳ほどです。
グレート・デーンは大きくて堂々とした外見のため、怖がられることが多いですが、実はとても温和で友好的な性格をしています。
家族以外の人間や犬に対しては、控えめながら気を配って接します。
猟犬の強さを持ちながら服従心が強く、挑発には乗らない辛抱強さを良しとされて選択繁殖されてきました。
堂々と威厳のある姿ですが、家庭内などリラックスしていい場面では、不器用な仕草にひょうきんな一面が見えます。
グレート・デーンを飼育するために欠かせない前提条件として、十分スペースが用意できていることが上げられます。
大きい犬だからこそ、家族の近くで過ごすことで、よりコミュニケーションがしやすく、人間の気持ちや意思を汲む犬に育ちやすくなります。
温厚な性格で、子どもとの生活にも問題なく、辛抱強く接します。しかし、子犬、若犬のうちは遊びも激しくやんちゃで体力もありますので、しつけや訓練は十分に行うようにしましょう。
もししつけがに自信がない場合は、トレーナーにしつけを依頼することも考えておくべきでしょう。
人間と同じかそれ以上の体格ですので、飼育費用については、犬を飼うということより人間の家族が1人増えると考えた方がよいくらいの覚悟が要ります。
医療費も小型犬の10倍以上が見込まれ、食費もそれなりにかかり、載せられる車も大きさを選ぶなど、最後まで幸せに一緒に過ごすためには何よりも迎え入れる前に検討が必要です。
被毛は短いため、週に1回のブラッシングとタオルで汚れを拭いてあげる程度のケアで問題ありません。