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ドイツ原産のダックスフンドはアナグマやうさぎといった動物の狩猟目的で手足が短く改良された歴史があり、体長でサイズを比較する他の犬種に対して、穴に入る事を目的に生み出されたダックスフンドは胸囲と体重でサイズを判断します。
ダックスフンドは主に3種類に分けられますが、海外の規定は日本のものとは異なるため、ここではJKC(ジャパンケネルクラブ)が定める日本国内でのサイズの規定で先に紹介します。
ミニチュアダックスフンドはこの犬種の中でも一番人気があるサイズで2013年度のJKCの登録数27,314頭と他のサイズに比べて圧倒的に人気があります。
サイズの規定では体重は3.5〜5kg、成長が落ち着く生後15ヶ月で胸囲30〜35cmとされています。
中型犬のスタンダードダックスフンドは3種の中で一番体が大きく胴が長いのが特徴的です。
このサイズが原種であり、他犬種と交配することによって原種のスムースコートの他にロングコート、ワイアーコートなどの長毛種を生み出すことになりました。
気質が大らかで落ち着いている個体が多く、無駄吠えも少ないためダックスフンドの中では飼育しやすい犬種です。
JKCの規定では体重9kg以上、胸囲は生後15ヶ月後で35cm以上とされています。
超小型犬であるカニンヘンダックスフンドは前述の2種とは目的が違い、主にうさぎを狩る目的の為にミニチュアダックスフンドをさらに小型に改良した犬種です。
原産国のドイツではラビットダックスとも言われていて、小さい体で活発的に動くことで知られています。
JKCの規定では体重3.5kg以下、生後15ヶ月で胸囲は30cm以下です。
狩猟目的として改良されてきたダックスフンドは活発的で遊び好きですが、命令をよく聞く利口な面もあります。
ミニチュアダックスとカニンヘンダックスは特に元気が良く、動き回るのが好きなのは良い点ですが、自分本位で動き回ってしまい問題行動につながってしまう事もあるため、躾は必ず覚えさせなければなりません。
スタンダードダックスは体が大きく聞き分けがいいため、子供がいる家庭でも飼育しやすく躾も比較的に早く覚えてくれます。
ダックスフンドは他犬種との交配でスムース(短毛)、ロング(長毛)、ワイアー(剛毛)の3種類の被毛に分けられます。
なぜ、違う被毛を持つダックスフンドを作出したかというと、狩猟犬だった歴史から穴に入ってアナグマを仕留める際に短毛だったダックスフンドは怪我をする事が多く、被毛によって抵抗するアナグマの攻撃を防ぐ目的で作られたと言われています。
そのため交配の相手になった犬種の性格を引き継ぎ、ダックスフンド本来の性格とは違った傾向があります。
ダックスフンド本来の艶と光沢のある被毛を持っています。
好奇心旺盛な性格と活動的で遊ぶのが大好きといった猟犬らしさと飼い主に対する忠実さがあります。
スパニエル系の犬種と交配した事で長く柔らかい被毛を持ちます。
この交配によってスパニエル系の大人しく優しい性格を受け継ぐ事になり飼育がしやすくなったため、猟犬としてではなくペットとして人気が出る結果を招きました。
ワイアーコートを持つテリア系の犬種と配合する事によって剛毛が体全体を覆い、アナグマの反撃を軽減出来るようになりました。
テリア系の性格は気が強く頑固な性格が基本になっているため、ワイアーコートのダックスフンドは躾に苦労すると言われています。
ダックスフンドのスタンダードの性格では他人に神経質であったり、臆病になったりする事が多くあります。
生後4週齢〜13週齢の社会化期であれば他人や犬、場所に慣れさせると成犬になってから他人や犬にも問題なく接する事が出来るようになります。
前述の通りジャパンケネルクラブの規定ではダックスフンドは3種に分かれていますが、海外の団体ではサイズによって規定が違っていたり、ミニチュアとカニンヘンが同じになっている事もあるため海外のブリーダーから迎える際には注意が必要です。
アメリカンケネルクラブではカニンヘンダックスはミニチュアダックスとして扱われているため、2種類になっています。
基準も体重のみで体調や胸囲などの項目がありません。
スタンダードダックスで体重が7.3〜14.5kg、ミニチュアダックスで5kg以下と決められています。
ダックスフンドの原産国であるドイツでは日本と同じようにカニンヘンを含めた3種で位置付けられていますが、体重や胸囲などの基準は日本とは少し違っています。
カニンヘンダックスで胸囲30cm以下で体重が3kg以下
ミニチュアダックスで胸囲30〜35cm、体重3〜4kg
スタンダードダックスは胸囲35cm以上、体重9kg以下
とされています。
イギリスの愛犬家団体の場合はアメリカと同様でカニンヘンはミニチュアとして扱われています。
規定は雄と雌で体重の規定が異なり、ポンドを基準としているためキログラムの表記は細かくなっています。
ミニチュアダックスは体重が雄雌共に5kg(11ポンド)以下
スタンダードダックスでは体重が雄が11.25kg(25ポンド)
雌は10.35kg(23ポンド)
になっています。
ダックスフンドは特にミニチュアダックスとカニンヘンダックスを迎える際にトラブルになる事があります。
トラブルの内容として栄養失調の状態で繁殖させるブリーダーが、小柄な個体をミニチュアダックスやカニンヘンダックスとして市場に流通させるといった悪質な行為による問題です。
この問題はダックスフンドだけではなく、トイプードルなどの小型犬にも手が及んでおり体が弱かったり疾患を抱えている犬、成長してから問題行動を起こす犬などを増やします。
インターネット上での取引は売買に非常に便利な手段ですが、写真を見るだけでは飼育状況やどんな施設で過ごしているかわからないためリスクが生じます。
悪質なブリーダーは飼育環境が劣悪なために訪問を拒否する事もあるので、必ず売買前に施設の状況と飼育環境を見せてもらえるか確認を取ってください。
施設の環境を見学出来るようであれば、施設の清潔さ、栄養状態、ワクチンの摂取を行なっている事も確認が必要です。
また、生後8週齢未満の仔犬が親や兄弟と一緒に過ごしている事も重要です。
これは幼少期に親や兄弟から引き離される事で社会化期に悪影響を与えて脳にも影響を及ぼします。
それによって、躾を守らずに問題行動を起こしてしまう成犬になってしまう事があるため、動物愛護法によって「生後8週齢未満の犬猫の販売を禁止」と改正されることになりました。
これらを守らない悪質なブリーダーと考えられるケースは保健所に迷わずに通報しましょう。
チャンピオン犬の血統は通常の取り扱いとは違い飼育環境が安定しているため安心して迎える事が出来ますが、通常のミニチュアダックスフンドが10〜20万になるのに対してチャンピオンが父親だけでも30万以上になる事があり高値で取引をする事になります。
この場合は姿形だけではなく、パピートレーニングや躾の教育も行き届いているため管理しやすくなるのも魅力的です。
血統を大事にするブリーダーはチャンピオン血統を作出する良い環境作りに取り組んでいるため、積極的に情報を交換して生活の役に立てましょう。
防寒着やレインコートと使い方が様々な服はダックスフンドの魅力を引き立てるファッションのアイテムの1つです。
特に冬場はスムースコートのダックスフンドにとって寒さや肌の乾燥を防止する手段として服を着せる事も考慮に入れましょう。
ピッタリの服を手に入れるためにはサイズを測る事が重要です。
まずは裁縫用の柔らかいメジャーを用意して採寸の正しい位置を理解することから始めましょう!
首周りは首輪をつける場所が目安で首の付け根を1周して測ります。
落ち着きがなかったり、慣れていないようなら首輪が丁度良い状態である事を確認してから外して、まっすぐにするだけで首周りが測れるようになります。
胸囲は肋骨の一番深い場所を測った場所の数字で、地面からも一番近い場所になります。
服を作る際に胸囲の数字を測り間違えてしまうと服が地面に着いてしまったり、胸が締まりすぎて呼吸が苦しくなったりストレスを与えてしまうので注意が必要です。
胴長なダックスフンドは背丈を測る事は重要で、測る場所は首周りを採寸した位置から尻尾の付け根までになります。
初心者はメジャーの締め方が緩くなってしまいがちになり誤差が出る事があるので、適度にメジャーを締める事と犬が落ち着いている状態が確認出来てから採寸しましょう。
慣れていないならペットショップで実際に測ってもらいアドバイスを貰いましょう。
首輪をする際にサイズが違っていると首から抜けてしまったり、締め過ぎて呼吸や飲み込みに悪影響を与えてしまうため、正しいサイズを測る事も大事です。
裁縫用のメジャーが最適ですが、手元にない場合は紐とペンを使う事でも代用は可能です。
まず、ダックスフンドの下顎と耳の後ろで一番細い場所を手で探ります。
メジャーや紐で測る時に首が強く締まらないよう、ロング、ワイアーなど被毛が長い状態であれば毛の倒れ方と柔らかさを覚えておきましょう。
頭蓋骨の後方下部の位置で少しきつめにメジャーを巻き、出来るだけ地肌に密着するように測った数字が首輪の下限になる数字になります。
ミニチュア、カニンヘンなどの活発で甘えたがりの犬種では留守番中にイタズラをしたり、無駄吠えをしてしまうため、ケージに慣れさせる事は生活の上で重要になります。
警戒心が強い場合は来客時にゲージに入ってもらう事で安心感を持たせることも出来ます。
トイレやベッド、給水器などを設置する必要があるため、最低でも幅120cmは必要になり、スタンダードダックスの場合は体格が大きいため、それ以上の大きさが必要です。
ジャンプして脱走してしまう事もあるため、高さが足りなかったり落ち着きがない場合は必要に応じて天井をカバーで覆うなどして対応しましょう。
90cmのサイズの場合は成長する際に少し窮屈に感じるようになり、トイレとベッドまでの距離が近すぎるため衛生的に良くない事もあげられます。
幅が伸縮するタイプのものであれば買い換える必要が無く成長に合わせて使用する事が出来ます。
また、ケージを連結できるタイプもあり、部屋のスペースに合わせてケージをつなげて拡張する方法も効果的です。
サイズや被毛に特徴的な個性を持つダックスフンドはそれぞれの特性を理解しなければなりません。
特にミニチュアダックスやカニンヘンダックスのような小さいサイズの犬種は人気があり、悪質なブリーダーが繁殖を行なっている事もあるため、迎える前に繁殖している業者の施設環境や犬の健康状態の確認を必ず行ってください。
被毛が短いスムースコートの場合、冬の寒さは厳しくなるため服のサイズをあらかじめ測る事も重要です。
服を着させてあげたいけど初めてだしサイズが間違っている場合はどうしよう!という方はペットショップで採寸をしてもらい、実際にコツを教えてもらうのもいい方法です。
正しいと思っていたサイズがダックスフンドにとって窮屈に感じている事もあるため、まずは体に合っているか確認して測り直してみましょう。これらをきっかけに生活の質が改善されるかもしれません。