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ラガマフィンがかかりやすい病気はこちらです。病気の発見が遅れると、仮に治療が成功したとしても高額の治療費がかかります。病気は早期発見・早期治療を意識しましょう。
ラガマフィンの直系祖先はラグドールですが、この2種類の猫は相似点が多いため、有力な血統登録団体でも公認していない団体があります。
存在は古く、登録は新しい猫といわれるラガマフィンですが、こうなった事情は少々特別なものがあります。
ラガマフィン作出の経緯が複雑になった理由は、毛色や遺伝疾患のような猫そのものの問題ではなく、人間の問題、繁殖ビジネスと愛好家の確執からでした。
1960年頃のこと、アメリカ・カリフォルニアに住んでいたペルシャ猫の繁殖家ベイカーは、自分の飼っていた白いペルシャと地域に住んでいた猫を交雑させて、シールポイントのある長毛の猫を作りました。この時の雑種猫はバーマンがその雑種であったと推定され、さらに生まれた子猫にはバーミーズが交配されたようですが、正確な記録は残っていません。
こうして生まれたラグドールは、ベイカーが厳しく血統の管理を行い、既存の猫血統登録団体ではなく自らの設立した血統団体で管理を行うと同時に、繁殖を希望する人とはフランチャイズ契約を行うというビジネスを展開しました。商品価値のために猫の品種名を商標登録し、許可のない相手には使わせないことにしたほか、生まれた子猫の代金の数パーセントをベイカーの団体に支払うという契約もあったとされています。
ベイカーの管理するラグドールのスタンダードや、猫を介在させるフランチャイズビジネスに疑問を持ったラグドールの愛好家は、ベイカーから離れていきますが、最初に離れた人たちはラグドールとう名を使うことにより、基礎を起こされるなど複雑な問題に巻き込まれることになりました。
1990年ごろ、ラグドールをめぐる様々な状況を踏まえて、後からベイカーのもとを離れた人たちは仲間を作って愛好家団体を設立し、ラグドールのスタンダードを変更すると同時に新しい名前を付けて、この大きな愛らしい猫の育種を続けたいと考えました。
そうして生まれたのがラガマフィンです。
ラガマフィンの名前は「いたずらっ子」という意味と同時に「ぼろ服をまとった人」という意味があります。ラガマフィンの愛好家団体では、当初この名前を冗談半分でつけたそうですが、登録後の変更が不可とされたため、、結局この名前に落ち着いたとされています。
また、現在ラガマフィンを公認していない主な団体はTICAですが、一切の異種交配を認めない団体があります。遺伝子プールを広げる目的のため、当初は特定の他の猫種との交配が認められていましたが、現在はほとんどの団体がペルシャやバーミーズなどほかの猫種との交雑を禁じています。
ラガマフィンはラグドール同様に、毛色にポイントが入る顔や手足などに特徴的な斑が入り、被毛はミディアムロングの猫です。大きめの猫にややつり上がった青い目、丸い顔をしています。
大きな体に筋肉質のしっかりした体を持つロング&サブスタンシャルタイプです。
毛色はラグドールが毛色を限定しているのに対して、ラガマフィンは遺伝学的に発生可能な毛色であれば、どのような毛色も認められています。ポイントの入り方が完全でない場合や、ポイントの上にスポットが入ってしまうことも認められているようです。
体重4.9~9㎏、平均寿命は10歳~13歳ほどです。
ラガマフィンは甘えん坊で温和、人のそばにいたり抱っこされるのが大好きな人懐っこい性格です。
ほかのペットや家族の中にいても自分が1番愛されたいという猫らしい一面もありますが、ほかの猫やペット、子どもとも上手に付き合えるので愛情をめぐる闘争心はありません。むしろ先住のペットや子どもに自らすりよる面があります。
ラガマフィンの体格は他の猫より大きく、骨格や筋肉がしっかりとしています。その体を維持するためには、それに見合うだけのカロリーやたんぱく質が必要となるため、食事は他の猫種に比べて高カロリー・高たんぱく質のものが必要となります。
しかし、室内飼いでおとなしい性格の場合はあまり動こうとせず、肥満になってしまう可能性もあります。肥満は糖尿病などを引き起こす原因にもなりますので、十分に注意しましょう。
猫の性格や活動を見ながら食事のバランスを考え、適量の餌を与えるようにして肥満を予防していきましょう。
好奇心旺盛で遊び好きな性格ですが、活発といえるほど動き回る猫でもないため、興味が向いた時に自由に遊べるキャットタワーやおもちゃなどをあらかじめ用意しておくとよいでしょう。
また、その際に用意するタワーもあまり高いものではなく、低めのものを用意すると良いほか、おもちゃは小さめで飼い主と遊べるようなものを好むので一緒に遊んであげると喜んでくれます。
ラガマフィンは長毛種なので、手入れには手間がかかります。
毛が絡まってしまうと毛球症という病気を発症するリスクが高まってしまい、この病気は猫が自分で毛づくろいをした際に毛玉を飲み込んでしまうことで、吐くことも排泄することもできなくなる病気で最悪命に関わります。
この病気を防ぐという意味でも、ブラッシングは1日2回は行うようにし、特に抜けが多くなる換毛期には2週間に1回はシャンプーを行って抜け毛を洗い流してあげるなどしましょう。シャンプーは猫用のシャンプーを使うようにしましょう。
賢く穏やかなラガマフィンは、臆病で用心深い面も持っています。毎日怒鳴ってしまうと飼い主を敵だと認識して近寄ってくれなくなる可能性があるので、失敗をしても怒鳴らないようにすることを心がけましょう。
とくに、トイレのしつけはどんな猫でも大切ですが、不慣れなうちはトイレ砂の上まで抱っこして連れていき、トイレ砂の上で排泄を成功させることを認識させましょう。ラガマフィンは自分の排泄物の臭いがする場所をトイレと理解するので、次からはトイレに排泄するようになります。
もし失敗してしまっても怒鳴らず、粗相した部分に臭いなどが残らないよう綺麗に掃除し、次こそ成功できるよう根気よく教えてあげましょう。