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犬の水腎症(すいじんしょう)は、尿を排出する管の通りが悪くなり、腎臓内部におしっこがたまってふくらんでしまった状態を言います。
主症状としては、お腹がふくらんだり、お腹がはったりします。症状は閉塞の原因によって異なり、血尿、腹部や腰部の疼痛、食欲不振、発熱などがみられますが、特に症状を示さない場合もあります。そのほかにも、多飲多尿、食欲不振、嘔吐、削痩、脱水などが見られることがあります。
水腎症には、先天性のものと後天性のものがあり、先天性の水腎症は、腎臓や尿管の奇形などによって起こります。後天性の水腎症で最も一般的な原因は尿路の閉塞です。
結石や腫瘍などによる腎臓や尿管の閉塞に続したものが多くみられます。
水腎症の治療としては、原因となっている疾患や腎不全を起こしているかどうかによって決まります。結石や腫瘤の摘出など、尿路の閉塞を取り除くための外科的な処置が必要となる場合もあります。片側性の水腎症で、腎臓に重度の感染や腫瘍があったり、腎臓が巨大化して他の臓器を圧迫していたりする場合などは、腎摘出を検討します。腎不全の症状がある場合には、その治療を行います。
予防方法としては、定期的な健康診断を受診し、尿路閉塞の原因となる疾患を早期発見、早期治療 することが重要です。特に腎結石や尿管結石などがあるワンちゃんは注意が必要です。また、尿路が完全閉塞を起こすと、数時間〜数日という短期間のうちに急激に腎臓の機能が低下することもありますので、血尿や腹痛など気になる症状が見られたら、なるべく早く受診し、治療を受けるようにしましょう。