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セルカークレックスがかかりやすい病気はこちらです。病気の発見が遅れると、仮に治療が成功したとしても高額の治療費がかかります。病気は早期発見・早期治療を意識しましょう。
セルカークレックスは「奇跡の猫」という別名を持っています。その理由は、この猫が発見された経緯に由来しています。
1987年、アメリカ・モンタナ州の動物保護施設に5頭の子猫がいました。そのうちの1頭に巻き毛の被毛をもつ子猫がおり、この子猫を引き取ったのがペルシャ猫の繁殖をしていた、ジェリー・ニューマンという女性でした。この時の巻き毛の子猫がセルカークレックスの祖先猫となります。
巻き毛の猫を引き取った繁殖家のジェリー・ニューマンは、巻き毛の猫に「ペスト」と名づけることにしました。ペストが拾われた地域周辺においてコーニッシュレックスやデボンレックス、ラパーマのような巻き毛の猫が生息していなかったこと、またペストの兄弟は皆直毛であったことから、ニューマンはペストが突然変異で巻き毛になったのではないかという仮説を立てました。
そこで、ニューマンは自分の飼っていた黒いペルシャ猫とペストとの交配を行います。そのようにして生まれた6頭の子猫のうち、3頭が巻き毛を持って生まれてきました。このことから、この毛質が遺伝であると確信したニューマンは、ほかの繁殖家とともに新しい巻き毛の猫の育種を始めました。
そして生まれたのがセルカークレックスという猫種です。人懐こさと長毛の毛質のためにペルシャ猫、忍耐強さのためにブリティッシュショートヘア、朗らかな性格のためにエキゾチックショートヘアなど他の猫との交配を進めることによりセルカークレックスは誕生しました。ペットとしてふさわしい容姿と性格を持つ、新しい猫種として誕生したのです。
名称のもととなったセルカークは、ペストが発見された動物保護施設のあるモンタナ州の山の名前だと言われていましたが、後にジュリー・ニューマンの義父の名前からとったものだと言うことが明らかになっています。
TICAは1990年に経過観察を開始し、1992年にはTICAで、1998年にはCFAやほかの団体で、新しい猫種として認定登録されることになりました。
セルカークレックスの祖先にあたるペストは最初に動物保護施設で保護されていたため、もし殺処分されていたり、繁殖家のジュリー・ニューマンに出会っていなかったりしていた場合、セルカークという猫種はこの世界には存在していません。そのためセルカークレックスは別名「奇跡の猫」と呼ばれているのです。
平均体重はメスが3kg〜4.5kg、オスが5kg〜6.5kgとされています。かなり個体差が激しいと言われています。
セルカークレックス最大の特徴は巻き毛です。首まわりやしっぽの毛は特に厚くボリュームがあります。巻き毛の猫はほかにコーニッシュレックスやデボンレックス、ラパーマがいますが、最もボリュームがあるのがセルカークレックスです。
丸い頭、まん丸の目、短めの鼻という愛嬌のある顔つきをしています。
セルカークレックスには、短毛と長毛のどちらも存在しており、どの長さの猫でも毛はカールしています。短毛の場合、体や尻尾の被毛の長さが同じです。長毛の場合は首回りがの毛がより長く、顔の輪郭が際立ちます。
毛色はチョコレート、レッド、ホワイト、ブラック、ブルー、ラベンダー、クリームなどがあります。目の色はサファイアブルー、カッパー、ブルー、オレンジ、ヘーゼル、アクア、ゴールド、グリーン、イエローなどです。オッドアイの猫もいるようです。
甘えん坊で人懐っこい性格をしています。飼い主のひざに乗ることが好きで、静かで落ち着いたところを好みます。
寂しがりやな面もあります。長時間構ってあげないことがあった時には、寂しさからストレスを溜めてしまうことがあるでしょう。
穏やかな性格ですので、子供がいる家庭やほかのペットがいる家庭でも比較的飼いやすい猫種だといえます。
セルカークレックスは抜け毛が多い猫種です。短毛の場合、週2~3回、長毛なら毎日1回はブラッシングしてあげましょう。また、巻き毛は皮脂がたまりやすい傾向にあります。皮脂がたまると抜けた毛が皮膚に残りやすく皮膚病が起こりやすくなりますので、定期的なシャンプーが必要です。
また、鼻が短めで流涙症になりやすいので、こまめに目のまわりを拭いてあげましょう。
さびしがりやな性格ですので、お留守番には向いていません。ストレスが溜まってしまう可能性が高いです。
体重が重いので、キャットタワーなどを買うときはしっかりしたものを買うようにしてください。