ミニチュア・ピンシャーの病気・ケガ・性格を解説

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ミニチュア・ピンシャーがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

ミニチュア・ピンシャーの特徴

ミニチュア・ピンシャーの歴史

愛好家の間で「ミニピン」という愛称で親しまれているミニチュア・ピンシャーは、外見の相似からドーベルマン・ピンシャーを小型化した犬だと思われがちですが、実はミニチュア・ピンシャーの方が歴史は長く、その始まりは17~18世紀頃だと推定されています。ミニピンという愛称は日本だけでなく、発音は微妙に異なるものの、アメリカなどの英語圏でも「mini-pin」という略称で通用する場合があるようです。

祖先犬とされる中型のヘル・ピンシェルは、ドーベルマンと同じ祖先であり、その後、ジャーマン・ピンシャー、ダックスフンド、イタリアングレーハウンド、更にミニチュアシュナウザーやトイ・マンチェスターテリアなどを交配して、19世紀には現在のミニピンとほぼ同じ形になっていたようです。

ドイツ国内で犬種クラブ設立されたのが1895年で、ドッグショーデビューがそれから5年後の1900年でした。1920年代に入るとアメリカに渡り「ピンシャー(Pinscher)」と呼ばれるようになり、その後1929年、AKCによって正式に公認されますが、現在の「ミニチュア・ピンシャー」という犬名になったのは1972年からのことです。

ピンシャーという名前はドイツ語でテリアを指しますが、現在では愛玩犬に分類されることが多く、テリアに分類されることは少ないようです。そして、その名の通り、テリア気質を持つ勇敢で活発、警戒心の強い性格と、身軽で筋肉質な無駄のない美しさを持ち、原産国のドイツやアメリカ、現代の日本でも多くの愛好家がいる犬となりました。

ドイツでは鹿を意味する「レイ(Reh)」を冠したレイ・ピンシャーと呼ばれていますが、ブラウンの毛色と小鹿のような体つきからつけられたようです。

ドーベルマンと同じく、現在も多くの国で断尾・断耳の習慣が続いていますが、ドイツほかヨーロッパ各国では動物愛護精神を尊重するため、20世紀後半以降は断尾・断耳共に禁じられています。

ミニチュア・ピンシャーの大きさ・見た目

ミニチュア・ピンシャーは体長と体高がほぼ同じ長さのスクエアな体型で、手足は細くても筋肉質で、全身が滑らかな短毛で覆われています。前足を高く上げて歩く姿をハックニーといいますが、贅肉のない引き締まった体とこの独特の歩様により、優美で洗練された印象を受けます。

しかし、その外見とは裏腹に番犬に向くほどの気の強さがあり、愛好家にはこのギャップがたまらない魅力でもあるようです。

体高25~32cm、体重4~5㎏で、平均寿命は15年ほどといわれています。

ミニチュア・ピンシャーの性格

ミニチュア・ピンシャーは愛玩犬と分類されながら番犬の役割を果たし、日本では使役犬として分類されているほどエネルギッシュな犬です。

人見知りがあるため、初めての相手には時に攻撃的に振舞うこともあり、負けん気も強く、大きな犬に対して向っていくこともあります。

また好奇心が旺盛なため、初めて目にしたものや素早く動き回るものなど、気になったものにはとことん興味を示します。この性格により、世界中のブリーダーの間で「脱走の芸術家(Escape Artists)」と呼ばれる所以になる、好奇心が勝って家を脱走してしまうこともあるという注意点があります。

ミニチュア・ピンシャーの毛色は単色と2色で構成されているバイカラーとがあります。

単色はレッドと呼ばれる赤みがかった茶色から来い茶色までバリエーションがあり、ディアー・レッド、レディッシュ・ブラウン、ダーク・レッド・ブラウンなどと呼ばれています。

バイカラーにはブラック&タンと呼ばれる来い茶色と、濃淡の茶色で構成されたチョコレートチョコレート&タンがあります。ブラック&タンは黒がベースとなり、目の上、喉の下側、パスターン、脚、後脚の内側及び尾の付け根にレッド又はブラウンが入ります。また、胸には2つの方向に明確に分かれた三角形の斑が入ります。

チョコレート&タンは、ベースがチョコレートという濃い茶色になり、タンの部分にはついてはブラック&タンと同様に入ります。

ミニチュア・ピンシャーを飼うときの注意点

ミニチュア・ピンシャーは活発で運動能力が高く、毎日30~40分以上の散歩と運動が必要です。

大変身軽でジャンプ力があるので、ドッグスポーツなども可能ですが、生来の気の強さがマイナスになることもありますので、飼い主との強い信頼関係が必要になります。

一方で、ドーベルマン・ピンシャー同様、護衛犬や警察犬として働く資質も持ち合わせているので、飼い主が甘やかさずにけじめのある態度で接することが大切です。

プライドが高い面もあるので、小さい子どもなどにしつこくかまわれると事故が起こる可能性もあるため、注意しましょう。

また、ミニチュア・ピンシャーのしつけは、互いの信頼関係を構築するところから始まります。性格的に、信頼した飼い主のいうことは従順に聞くからです。

しつけは社会性の習得を優先してください。飼い主さんがボスであること理解させ、メリハリを持ってしつけてあげましょう。好奇心から「家を飛び出したい」「吠えたい」などの欲求が生まれても「飼い主さんがダメというなら我慢しよう」という思考回路にあるようにしつけてあげることが大切です。

まず、散歩や食事は飼い主が主導し、我慢することを覚えさせてあげてください。甘やかしてしまうと我儘になり、手に負えなくなってしまいます。

また、叱るのではなく褒めるしつけを心掛けてあげましょう。叱ってしまうと攻撃性が増す恐れがあるので気を付けてください。名前を呼びながら怒鳴ると、自分の名前を罵声と勘違いしてしまうこともあります。

賢く学習能力の高い犬種ですが、気性が荒く頑固な性格のため、しつけには根気が必要です。

我慢することをしっかり覚えてくれたら、「ハウス」や「留守番」といったクールダウンをさせるトレーニングをしっかり行い、飼い主主導のライフスタイルを徹底することで、より良い関係が築けます。

ミニチュア・ピンシャーは褒めてもらうことや、飼い主の喜ぶ顔も大好きな犬種なので、そこを上手に使い、信頼関係を築いていきましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演