犬のクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)を解説!症状・原因・治療・予防を知る

犬のクッシング症候群の症状

クッシング症候群は、ホルモン病の一種で、副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)とも呼ばれます。副腎とは、腎臓のすぐ近くに存在する部位です。この副腎から副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されて、体に異常が発生する病気です。

胴体で左右対称に脱毛が引き起こされる、腹部が血管が浮き出るほど膨らむ、といった症状が確認できるようになります。その他、多飲多尿(たくさん飲み、たくさん排尿する)といった症状も表れます。

クッシング症候群は、5歳以上の比較的高齢の犬が多く発症します。そのため脱毛が確認できても老化の影響だと考えてしまう飼い主も多くいるので注意が必要です。体力や筋力も次第に落ちていくことで元気がなくなったり、荒い呼吸であるパンディングを安静にしているときも引き起こすようにもなります。

病気が進行すると、様々な病気に対する抵抗力が失われていくため、様々な合併症を引き起こすこともあります。

犬のクッシング症候群の原因

クッシング症候群は大きく分けると、脳下垂体の腫瘍が原因となる「下垂体性クッシング症候群」と、副腎自体の腫瘍が原因となる「副腎腫瘍性クッシング症候群」と、副腎皮質ホルモンの過剰投与によって引き起こされる「医原性クッシング症候群」の3つに大別されます。

下垂体性クッシング症候群の原因は、副腎皮質ホルモンの分泌を調整している脳の下垂体に、腫瘍ができることで判断が正確にできなくなるためです。

副腎腫瘍性クッシング症候群の原因は、副腎に腫瘍ができて大きくなり、副腎皮質ホルモンも過剰に生成してしまうためです。

医原性クッシング症候群の原因は、投薬治療の結果、副腎皮質ホルモンが体内に増えすぎてしまうためです。

犬のクッシング症候群の治療・予防

副腎皮質の過剰分泌を防ぐための、投薬治療を行うことが一般的です。根本的な完治を目指す治療ではないため、一生涯投薬し続ける必要があります。

脳下垂体や副腎の腫瘍が原因となっている場合は、その腫瘍を除去する外科治療や放射線治療を行うこともあります。

犬の内分泌の病気一覧

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演