犬のアロペシアX(脱毛症X)を解説!症状・原因・治療・予防を知る

犬のアロペシアX(脱毛症X)の症状

犬のアロペシアX(あろぺしあえっくす)とは、原因不明で数種類の犬種に起こる脱毛症のことです。

アロペシアとは直訳すると「脱毛症」のことで、原因不明であることから「X]が付き、「アロペシアX」という名称になりました。

発生機庁がほとんど不明であるため、この病気には「偽クッシング症候群」「成犬の成長ホルモン欠損症」「成犬の低ソマトソロピン症」「成長ホルモン応答性皮膚炎」「去勢応答性皮膚炎」「性ホルモン性皮膚症」「生検応答性脱毛症」「副腎性ホルモン欠損症」など、そのほかにも多数の名称があります。

発症しやすい犬種は「ポメラニアン脱毛症」と呼ばれることもあるように、ポメラニアンが半数を占めており、そのほかにもトイプードル、パピヨン、サモエド、シベリアン・ハスキー、アラスカン・マラミュートなどの北欧系の犬種にも多く発症が報告されています。

また、通常は1~3歳で発症しますが、それより若齢・高齢での発症例もあり、性別はオスの方が多く発症しているといわれています。

主な症状は「左右対称の脱毛」「色素沈着(皮膚にメラニン色素が沈着して黒ずんでくる)」「頭部と四肢はケガ残る」「毛艶が落ち、皮膚がカサカサ・しわしわになる」「痒みがない」などで、普通の治療ではあまり反応しないという特徴もあります。

犬のアロペシアX(脱毛症X)の原因

原因は未だに不明で、来院してすぐにこの病気であると診断されるケースはほぼ無いです。

副腎皮質機能亢進症であるクッシング症候群に似ていることから、偽クッシング症候群とも呼ばれることもあるため、クッシング症候群と同様に内分泌ホルモン異常が原因ではないかといわれていたり、そのほかにもホルモンが関与しているという考えから去勢・避妊手術が引き金になっという犬もいたことから「去勢反応性皮膚疾患」という名称もこの考えから生まれたとされています。

いずれにしても、アロペシアXは未だに解明はされておらず、原因も不明なままです。

犬のアロペシアX(脱毛症X)の治療・予防

原因がわからず、これといった特効薬もいまだない状況なので、様々な方法を試して犬に合う治療法を探ることが必要になります。

そんな中、現状で行われている治療法は「サプリメント投与:発毛効果のあるホルモン剤を投与して経過を見る」「去勢・避妊手術を行う:ホルモン異常の可能性が否めないため、推奨されることがある」「内服薬を投与:ホルモン剤や抗アレルギー薬、ステロイドなどを短期間で行う」「薬用シャンプーで薬浴:薬用シャンプーで皮膚状態の改善を促す」「洋服を着せる:皮膚の乾燥を防ぐため」「食事療法:スキンケアに特化した食事に変える」などが挙げられます。

未だ原因がわからず、予防策も特にはありませんが、ストレスが原因になったという報告もあるため、ストレスフリーに過ごすことが予防策になるともいわれています。

具体的に、「ブラッシングをする」「適切な運動量を保つ」「質の良い食餌を与える」「生活リズムを整える」などが挙げられます。

アロペシアXは原因がわからないため、改善が非常に困難で長期的な治療に付き合っていかなくてはなりません。

少しでもおかしいと思った時にはすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

犬の皮膚の病気一覧

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演