2024最新版_犬の虫歯を解説!症状・原因・治療・予防を知る

犬も人と同様に、口内環境の悪化が原因で虫歯になることがあります。しかし、犬の虫歯は人間とは異なり、発見が遅れがちで、治療が必要な状態になっていることが多いです。

虫歯とは、歯の硬い組織が酸によって溶解される病状を指します。犬の場合、この病状は主に歯石の付着や歯周病から始まります。多くの飼い主が犬の口臭を単なる「老化のサイン」と誤解して放置してしまいますが、これは虫歯や歯周病のサインであることが少なくありません。したがって、ペットの口内健康にも気を配ることが重要です。

この記事では、犬の虫歯についての基本的な知識と、よくある誤解について解説します。

症状

犬の虫歯の初期症状

犬の虫歯の初期段階では、特定の症状が見られることがあります。

最も一般的な兆候は、食べ物を噛む際の躊躇や食欲不振です。これは、虫歯によって歯が痛むために生じる行動です。

また、歯を触られることに対する抵抗や、口臭が増すことも初期症状のひとつです。

これらの兆候を見逃さず、早めに対処することが重要です。

進行すると見られる症状

虫歯が進行すると、犬はより明確な痛みを示すようになります。

具体的には、歯肉炎や感染症がある場合には口からの出血が見られたり、痛みが出ることで片側の歯ばかりで食べ物を噛むようになることもあります。

最終的には、虫歯が原因で歯が抜け落ちることもあるため、虫歯は全身の健康状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

虫歯によるこれらの症状に注意を払い、異常を感じたら早急に獣医師に相談することが重要です。

原因

食事と虫歯の関係

犬の虫歯の最も一般的な原因の一つは、不適切な食事です。特に、高炭水化物含有の食品を頻繁に与えることは、虫歯を引き起こす主要な要因となります。炭水化物は口内の細菌と反応して酸を生成し、歯のエナメル質を徐々に侵食します。

したがって、犬の食事では新鮮でバランスの取れたフードを選び、糖質の摂取を控えることが重要です。

その他の要因

虫歯の発生には遺伝的な要素も関与し、特定の犬種では歯と歯肉の問題が多いことが知られています。

また、犬の口内環境、特に唾液の質や量も虫歯の発生リスクに影響を与える可能性があります。唾液は自然の洗浄作用を持ち、食べかすや細菌の除去に役立ちますが、これが不足すると虫歯のリスクが増大します。

さらに、定期的な歯みがきが行われていない場合には歯石が蓄積しやすくなり、これが虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。

 

これらの原因を理解し、適切な予防策を講じることが、犬の虫歯を防ぐ上で非常に重要です。食事の管理と定期的な口内ケアが、愛犬の健康を維持するための鍵となります。

治療

早期発見と早期治療の重要性

犬の虫歯治療においては、早期発見が最も重要です。初期段階での発見により、侵襲性が少なく効果的な治療が可能となり、犬の苦痛を最小限に抑えることができます。

早期発見のためには定期的な歯科検診を行うことが大切です。

治療法

虫歯の治療法は症状の進行度によって異なります。

軽度の場合は、歯垢や歯石除去などのクリーニングと投薬で改善が見られることがあります。しかし、虫歯が進行している場合は、抜歯や根管治療が必要になることもあります。

これらの処置は、全身麻酔下で行われます。

治療後は、一般的に抗生物質や痛み止めの処方が行われます。

予防

日常の歯磨きとケア

犬の虫歯を予防するためには、日常的な歯磨きが不可欠です。

犬用の歯ブラシと歯磨き粉を使用して、毎日または少なくとも週に数回は歯磨きを行うことが推奨されます。これにより、食べ物の残りかすや細菌の蓄積を防ぎ、歯垢の形成を最小限に抑えることができます。

犬が歯磨きを嫌がる場合は、歯磨きガムやおもちゃを活用することも一つの手です。

適切な食事とサプリメント

犬の口内環境を健康に保つためには、適切な食事を与えることも非常に重要です。

炭水化物の少ない食事を心がけ、必要に応じて口内環境を改善するサプリメントを利用することも有効です。例えば、プロバイオティクスは犬の口内の良好な細菌を増やすのに役立ち、歯垢の形成を抑えることができます。

また、カルシウムやビタミンDのサプリメントは、歯の健康を支えるためにも良い選択となります。

これらの予防策を継続的に行うことで、犬の虫歯リスクを大幅に減少させることが可能です。

まとめ

犬の虫歯は、初期症状が見逃されがちですが、早期に発見し適切な治療を行うことで、犬の苦痛を軽減し、生活の質を保持することができます。また、日常的な予防措置は虫歯だけでなく、その他の口内疾患を防ぐ上でも極めて効果的です。

さらに、動物病院での定期的な歯のチェックは、犬の虫歯予防策の中でも重要な部分を占めます。検査により早期に問題を発見することが可能となり、必要に応じて迅速な治療を行うことができます。このため、愛犬の口腔内の状態を定期的に確認し、適切な治療を受けることをお勧めします。

 

犬の虫歯は適切な知識と日頃のケアによって予防が可能です。愛犬の歯の健康を守るためにも、毎日の歯みがきや歯のチェックを習慣化し、何か異変が見られた場合には動物病院を受診しましょう。

犬の口腔・歯の病気一覧

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演