作成日: 更新日:
目次
犬のネフローゼ症候群は、初期段階ではたんぱく尿がみられます。病状が進行すると、低蛋白(低アルブミン)血症、高脂血症、高血圧、高ナトリウム血症などがみられ、これに伴って症状としては腹水、浮腫み、下痢や嘔吐、元気消失、食欲不振などの症状が現れます。
また、血栓ができる可能性が高くなったり、抵抗力の低下から様々な感染症にかかりやすくなったりします。
腎臓病以外にも、糖尿病や腫瘍、中毒、アレルギーなど様々な病気がネフローゼ症候群の原因になります。ネフローゼ症候群は、糸球体腎炎といった腎臓の病気だけでなく、全身に影響する様々な病気によっても引き起こされます。
例えば、糖尿病や腎障害、白血病や形質細胞腫といった腫瘍疾患、様々な感染性疾患、腎臓に毒性のある薬剤や毒物の摂取、アレルギーや紅斑性狼瘡といった免疫系疾患などがあげられます。
治療法としては、明らかになっている原因となる病気に対する治療を行います。それと同時に病態に応じて、処方食や血管拡張剤が用いられます。
浮腫が重度であったり、胸水が見られたりする場合は、利尿剤であるフロセミドの投与を行う場合があります。高血圧や血栓症がみられる場合は、その治療も必要です。
また、血栓塞栓性疾患を発症することがあるため、運動制限やケージレストでの安静、抗血栓剤投与といった予防的な治療を行うこともあります。
ネフローゼ症候群の予防方法は、今のところ明確にわかっていません。早期発見・早期治療が大切ですので、定期的に飼い犬の健康診断を受診するようにしましょう。