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犬の血小板減少症(けっしょうばんげんしょうしょう)とは、免疫介在性血小板減少症とも呼ばれ、血小板という血液中にある血液凝固を担う細胞をなんらかのきっかけにより、免疫機能が破壊して様々な症状を起こす病気です。
主な症状として口の中や皮膚の点々とした出血や紫斑、傷口の出血がなかなか止まらないなどの他に、症状の悪化によっては血便、血尿、吐血などが見られる場合もあります。
雄よりも雌の発症が2倍多く、再発率は50%程です。
発症原因は明確にわかってはいませんが、ウイルスや細菌への感染や骨髄や脾臓の異常の他に、悪性リンパ腫や白血病などの腫瘍やホルモン剤などの投薬、遺伝的な免疫機構の乱れなどが原因ではないかといわれています。
また、この病気がよくみられる犬種としてプードルやシーズー、マルチーズやオールドイングリッシュシープドッグなどが挙げられます。
治療方法としては主に血小板を破壊する免疫機能を抑える治療を行います。
副腎皮質ステロイド製剤を中心とした免疫抑制療法をはじめ、症状の進行具合によっては全血輸血が必要になる場合もあります。
軽度の場合でも完治には三ヵ月以上、重度の場合には半年以上を目安に治療を続ける必要があり、急に投薬量を減らしたり中断を行うと再発のリスクが高まる為、治療は獣医師の判断の上で慎重に行う必要があります。
また、食事療法も効果があるといわれている為、自宅でも普段食べているドッグフードにビタミンB12を多く含む食べ物や牛・豚・鶏のレバーや貝などを混ぜて与えることで、効果が期待できるとされています。
予防策は発症の原因がはっきりとわからず、現状で予防が難しい為、症状が現れ始めた段階で早めにかかりつけの動物病院に相談をするようにしましょう。