愛犬の健康を守るために - 犬の元気がなくなる主な病気トップ5

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愛犬の健康を守るために - 犬の元気がなくなる主な病気トップ5

【はじめに】

愛犬の元気がないと感じたことはありますか?犬が元気がない、というサインは様々な病気の初期症状となり得ます。犬は言葉を話すことができませんから、飼い主の皆さんにとって、愛犬の健康状態を理解し、適切に対応することが重要です。今回は、犬が元気がなくなる主な病気トップ5について詳しく解説します。この記事を読むことで、愛犬の健康管理に役立つ情報を得られるでしょう。

【1. 腎臓病】

犬の元気がないとき、最初に疑われる病気の一つが腎臓病です。腎臓は体内の老廃物を排出し、血液の浄化を行っています。そのため、腎臓が正常に働かなくなると体内に老廃物が溜まり、様々な健康問題を引き起こします。症状としては、食欲不振、嘔吐、体重減少、口臭、頻尿や少尿などがあります。しかし、これらの症状は進行した段階で現れます。早期発見が難しいため、定期的な健康診断が大切です。

【原因】

腎臓病の原因は様々です。加齢による自然な機能低下、遺伝的な要素、感染症、腎結石、高血圧、がんなどがあります。また、不適切な食事や脱水状態が長期化すると、腎臓に負担がかかり、腎臓病を引き起こす可能性があります。

【症状】

腎臓病の初期症状は目立たないことが多いです。しかし、病状が進行すると食欲不振、嘔吐、体重減少、口臭、頻尿や少尿、体毛のツヤがなくなるなどの症状が現れます。さらに進行すると、全身のむくみや貧血を引き起こすこともあります。

【動物病院で行う検査】

腎臓病の診断は、血液検査と尿検査が主に行われます。血液検査では腎臓の機能を示す指標であるクレアチニンや尿素窒素の値をチェックします。尿検査では、尿の比重やタンパク質の有無を調べます。これらの検査により、腎臓の機能低下の程度を判断します。また、超音波検査やX線検査を用いて、腎臓の大きさや形状、腎結石や腫瘍の有無を確認することもあります。

【治療方法】

腎臓病の治療は、腎臓に負担をかけない生活を送ることが基本となります。食事療法は特に重要で、低タンパク質、低リン、高エネルギーの食事が推奨されます。これにより腎臓の負担を軽減し、余計な老廃物の生成を抑えることができます。また、脱水状態を防ぐために、常に水分を摂取できる状態にしておくことも大切です。

薬物療法もあり、腎臓の機能を補助する薬や血圧を下げる薬、貧血を改善する薬などが使用されます。しかし、腎臓病は一度進行してしまうと完治することは難しいため、早期発見が大切です。そして早期発見のためには、飼い主の皆さんが愛犬の日常的な行動や体調変化に気をつけ、定期的な健康診断を受けることが重要です。

特に、高齢の犬や既に腎臓病を発症している犬については、腎臓病の進行を抑えるための食事療法や薬物療法を適切に行うことが大切です。これにより、愛犬がより長く、より快適な生活を送ることができるようサポートできます。

獣医師とのコミュニケーションも大切な要素となります。愛犬の健康状態や行動の変化、食事の内容などを獣医師と共有し、適切なケアと治療を行うためのアドバイスを受けることが重要です。獣医師との信頼関係を築き、愛犬の健康管理を共に考えることで、愛犬の生活の質を高めることができます。


【2. 心臓病】

次に多く見られる病気は心臓病です。心臓病は犬の年齢とともに増える傾向にあります。心臓が弱ると酸素を全身に運ぶ能力が低下し、疲れやすくなったり、元気がなくなったりします。特に呼吸困難、咳、息切れ、体重減少などの症状が現れることがあります。これらの症状が見られたら、早めの獣医師の診察をおすすめします。

【原因】

犬の心臓病にはいくつかの原因があります。一つは遺伝的要素で、特定の犬種は心臓病になりやすい傾向があります。例えば、小型犬は僧帽弁逆流症に、大型犬は心筋症になりやすいです。また、加齢による自然な心臓の劣化、感染症、体重過多、栄養失調なども心臓病を引き起こす可能性があります。

【症状】

心臓病の症状は、病気の種類と進行度によります。最初の段階では、症状はあまり現れないことが多いです。しかし、病状が進行すると、息切れ、咳、運動時の疲れやすさ、食欲不振、体重減少などの症状が現れます。重度の場合、失神や動けなくなるなどの症状も現れます。

【動物病院で行う検査】

心臓病の診断には、聴診、X線検査、心電図、エコーカーディオグラム(心臓の超音波検査)などが行われます。聴診で心音を確認し、異常音(心雑音)があるかをチェックします。X線検査では心臓の大きさや形状、肺の状態を調べます。心電図は心臓の電気的な活動を測定し、リズム異常を探します。エコーカーディオグラムは心臓の動きを詳しく見ることができ、心臓の各部の働きや血液の流れを詳しく調べます。

【治療方法】

心臓病の治療は、病気の種類と進行度によります。心臓の働きを補助する薬、心臓の負担を減らす薬、循環を改善する薬などが使用されます。また、体重管理や食事療法も重要な治療の一部となります。体重過多は心臓に余計な負担をかけるため、適切な体重を維持することが大切です。また、食事療法では塩分を制限することで、水分の過剰な蓄積を防ぎ、心臓への負担を減らすことが目指されます。

重度の心臓病になると、呼吸困難を和らげるための酸素療法が必要になることもあります。また、特定の状況下では、手術が必要となることもあります。例えば、心臓の弁の異常や心臓の大きな血管に問題がある場合などです。これらは専門的な設備と高度な技術を必要とするため、専門の動物病院で行われます。

心臓病は一度進行すると完全に治すことは難しいですが、適切な治療とケアにより、愛犬の生活の質を向上させ、寿命を延ばすことが可能です。そのためには、病気の早期発見と治療開始が重要です。

そのためには、飼い主の皆さんが愛犬の日常の様子や行動の変化に気をつけ、異常を感じたらすぐに獣医師に相談することが大切です。また、定期的な健康診断を受けることで、心臓病の早期発見につながります。


【3. 関節炎】

関節炎も犬が元気がなくなる原因となる病気です。特に大型犬や高齢犬に多く見られます。関節炎は、関節の軟骨が摩耗し、炎症を起こす病気です。これにより犬は痛みを感じ、行動が鈍くなったり、長時間の休息を必要としたりします。特に階段の昇り降りが困難になったり、散歩の距離が短くなったりすることがあります。関節炎は完治することは難しいですが、適切なケアと治療により、痛みを軽減し、生活の質を向上させることが可能です。


【原因】

関節炎は、関節に炎症が起こる病気で、多くの場合、加齢による自然な摩耗や、遺伝的要素、過度の運動、肥満、関節の異常などが原因となります。大型犬は体重の負荷から、小型犬は遺伝的要素から関節炎を発症しやすい傾向があります。また、関節への怪我や感染症も関節炎を引き起こす可能性があります。

【症状】

関節炎の初期症状は微妙であることが多く、日常的な行動の変化から見つけることが重要です。犬の関節炎の症状としては、運動の際の不器用さや敏捷性の低下、階段の昇降が難しくなる、散歩の時間が短くなる、体重が増える、普段よりも多く休む、関節部分に触れると痛がる、関節が腫れている、等が挙げられます。

【動物病院で行う検査】

関節炎の診断には、まず動物の歩行や姿勢の観察、関節の触診が行われます。次に、X線検査が行われることが多く、関節の変形や腫れ、骨の異常な成長などを確認します。また、関節液の採取や血液検査も行われることがあります。

【治療方法】

関節炎の治療方法は、症状の重さや原因によります。薬物療法が一般的で、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルチゾンが処方されることが多いです。これらは痛みを軽減し、炎症を抑えます。また、関節の健康をサポートするサプリメント(例えば、グルコサミンやコンドロイチン)が推奨されることもあります。肥満の場合、体重管理が重要となり、適切な食事と運動プログラムが必要です。重症の場合や薬物療法が効果的でない場合、関節の手術や物理療法が考慮されることもあります。物理療法には、水中運動やマッサージ、レーザーセラピーなどが含まれ、これらは痛みを和らげ、関節の動きを改善し、筋肉の力を維持します。

しかし、関節炎は基本的に進行性の疾患であり、完全に治すことは難しいです。そのため、症状の管理と生活の質の向上が治療の主な目的となります。これは、犬の日常生活の調整、適切な運動と休息、栄養バランスの良い食事、適切な体重管理など、飼い主の積極的な参加を必要とします。

また、飼い主の皆さんが愛犬の行動や様子を日常的に観察し、症状の変化や改善を評価することも大切です。痛みや不快感が増しているようなら、すぐに獣医師に相談しましょう。病状が進行した場合、薬の量や種類の変更、または新たな治療法の導入が必要になることがあります。

【4. 膵炎】

犬の元気がない原因として、膵炎も挙げられます。膵炎は、膵臓の炎症により引き起こされます。膵臓は消化酵素を分泌し、インスリンの生産も行う重要な器官です。そのため、膵炎は消化器系の問題を引き起こし、体重減少、嘔吐、下痢、食欲不振などの症状を引き起こします。症状が重度の場合、犬の命を脅かすこともありますので、早期の診断と治療が重要です。

【原因】

膵炎は、犬の膵臓に炎症が起こる病気で、特定の原因ははっきりとは分かっていません。しかし、過度の脂肪摂取、特定の薬物の使用、膵臓への物理的な損傷、代謝疾患、感染症などが膵炎を引き起こす可能性があります。また、中年から高齢の犬、特に雌犬と肥満の犬が膵炎を発症しやすいとされています。

【症状】

膵炎の症状は一般的に急に現れますが、慢性的な膵炎の場合、症状は緩やかに進行することもあります。症状には、食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢、体力の低下、脱力感、体重減少などがあります。これらの症状は他の消化器系の疾患と類似しているため、正確な診断が必要です。

【動物病院で行う検査】

膵炎の診断には、まず愛犬の健康状態と症状の詳細な評価、体の全体的な検査が行われます。その後、血液検査や膵臓酵素の異常上昇や他の関連する健康問題を確認します。また、腹部のエコー検査やX線撮影を行うことで、膵臓の炎症や腫れ、他の内臓の異常を確認します。

【治療方法】

膵炎の治療は、症状の重度と犬の全般的な健康状態によります。重度の膵炎の場合、入院と静脈内治療が必要となることが多く、炎症と脱水症状の管理、痛みの軽減、栄養補給が目指されます。慢性的な膵炎の場合や軽度の場合、外来治療が可能なこともあります。この場合、食事療法や薬物療法が中心となります。

食事療法では、脂肪分の少ない食事が推奨されます。膵臓は食物中の脂肪を分解する酵素を生成するため、脂肪分の少ない食事は膵臓の負担を軽減します。また、たんぱく質豊富で消化の良い食事が求められます。

薬物療法では、抗生物質が処方されることがあります。これは、膵炎が感染症により引き起こされる場合や、二次的な感染を防ぐためです。また、痛みを和らげる鎮痛剤や、膵臓の炎症を抑える薬も用いられます。

 

膵炎は深刻な疾患であり、愛犬の健康と幸せに大きな影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切な診断と治療、そして飼い主の皆様の愛情と献身的なケアにより、愛犬は再び快適な生活を取り戻すことが可能です。

【5. 皮膚病】

犬が元気がなくなる原因の一つに皮膚病もあります。皮膚病は多種多様で、アレルギーや感染症、寄生虫などが原因となることがあります。犬がかゆみを感じると、掻きむしるために活動的になりますが、それが原因で疲れ、元気がなくなることもあります。皮膚病は見た目で判断が難しいため、獣医師の診察が必要です。

【原因】

皮膚病は犬にとても多く見られる問題で、その原因はさまざまです。アレルギー、寄生虫、細菌や酵母の感染、ホルモンの不均衡、遺伝的な要因など、これらすべてが皮膚病の可能性を生み出します。犬の種類によっては特定の皮膚病にかかりやすい傾向もあります。それぞれの病気は犬の皮膚の状態や毛並み、そして一般的な健康状態に影響を及ぼすため、早期発見と適切な治療が大切です。

皮膚病の症状は病気の種類と程度によりますが、一般的にはかゆみ、赤み、皮膚の腫れ、毛皮の変色、皮膚の乾燥や脱毛、および異常な臭いなどがあります。犬が頻繁に体をかいたり、舐めたり、噛んだりする場合、これらは皮膚病の兆候である可能性があります。また、行動の変化、例えば不安や落ち着きのなさも、皮膚の不快感が原因である可能性があります。

【動物病院での検査】

診察時には犬の全身を詳しく観察し、皮膚の状態を確認します。病歴や症状の進行、食事や生活環境の変化など、飼い主から詳しい情報を聞くことも大切な診断の一部です。

さらに詳しい診断のためには、特定の検査が必要な場合があります。皮膚スクレイピングは一般的な検査で、皮膚の表面から細胞を採取し、寄生虫や感染症の存在を確認します。また、皮膚生検は特定の皮膚病の診断に有用で、皮膚の小さな部分を採取し、細胞レベルでの検査を行います。これにより、腫瘍や皮膚炎、アレルギーなどの原因を正確に特定することが可能となります。さらに、アレルギーテストは特定の物質に対する反応を調べるために行われ、食物アレルギーや環境アレルギーを特定します。

【皮膚病の治療方法】

皮膚病の治療は原因によって異なります。例えば、感染症の場合は抗生物質や抗真菌薬の投与が必要となります。アレルギーの場合は、原因となる物質の特定と避難が重要で、それに加えてステロイドや抗ヒスタミン薬が症状の緩和に使われます。ホルモンの不均衡や遺伝的な皮膚病の場合、特定の食事療法やサプリメント、ホルモン補充療法が推奨されることもあります。

いずれの病気でも、皮膚の状態を改善し症状を和らげるために、皮膚ケア製品(シャンプーやローションなど)が使われることがあります。これらは皮膚を清潔に保ち、乾燥や炎症を防ぎ、犬の快適さを向上させます。また、犬が皮膚を傷つけるのを防ぐために、エリザベスカラー(通称:カラー)の使用が必要な場合もあります。

なお、皮膚病の治療はしばしば時間と忍耐が必要です。症状が改善するまでに数週間から数ヶ月、場合によってはそれ以上を要することもあります。しかし、適切な治療と継続的なケアによって、犬の皮膚の状態は大きく改善することが期待できます。

【皮膚病予防のためのケア】

皮膚病の予防には、適切なケアと観察が重要です。まずは、犬の皮膚と毛並みを清潔に保つことが大切です。定期的なブラッシングは皮膚の健康を維持し、問題を早期に発見するのに役立ちます。ブラッシングは毛皮を通して皮膚の表面を刺激し、血流を促進し、皮膚の新陳代謝を助けます。また、適切なシャンプーとコンディショナーを用いて定期的に入浴させることも重要です。しかし、頻繁すぎる入浴は皮膚を乾燥させてしまうため、適度な頻度に留めることが大切です。

食事も皮膚の健康に大きな影響を及ぼします。バランスの良い食事は皮膚と毛皮の健康を維持し、食物アレルギーからくる皮膚病を防ぐことができます。アレルギーが疑われる場合、獣医師と相談して特定の食物を排除した食事療法を試すことも有効です。

また、犬の生活環境も皮膚病の発生に影響を及ぼすことがあります。湿度が高すぎたり低すぎたりすると皮膚に問題を引き起こすことがありますので、適切な湿度を保つことが重要です。また、寄生虫の感染を防ぐために、定期的なフィラリア症やノミ・ダニの予防薬の投与も必要です。

最後に、定期的な健康チェックが大切です。獣医師による定期的な健康診断は、皮膚病を早期に発見し、治療を始めるための重要なステップです。皮膚の問題が見つかった場合、早期に対応することで、深刻な状態になる前に病状をコントロールすることが可能となります。

皮膚病は、犬の快適さと健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切な知識とケアによって、これらの問題は管理し、予防することが可能です。愛犬の皮膚が健康であるためには、まずはその状態をよく観察し、異常を見つけたらすぐに獣医師に相談することが大切です。そして、飼い主としては、犬の食事や運動、日常のケアに気を配り、犬の生活環境を清潔で快適に保つことが求められます。加えて、定期的な健康チェックを行い、予防接種や寄生虫の予防も怠らないことが重要です。


【まとめ】

以上、犬の元気がなくなる主な病気トップ5について解説しました。犬は飼い主の皆さんにとって大切な家族の一員です。ですから、愛犬が元気がないと感じたら、早めに獣医師に診てもらうことが大切です。また、予防として定期的な健康診断を受けることもおすすめします。ここで紹介した病気は一部ですが、犬の健康管理についての理解を

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記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演