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犬の胃潰瘍(いかいよう)は、胃の炎症が悪化して胃の粘膜が傷ついてしまうことによって発症する病気です。
症状としては、腹痛、嘔吐、食欲不振が一般的です。また、胃潰瘍から出血がある場合には、吐血、血便などがあり、嘔吐物に黒いツブツブが混ざったり、便が黒くなったりします。
また最悪の場合は、胃に穴が開いてしまい急死する場合もあります。
胃潰瘍の原因としては、慢性胃炎や肥満細胞腫が重症化することによるものが多いですが、他にも、慢性腎不全、肝臓疾患、膵臓疾患などが原因となることもあります。
また、薬剤が原因になる場合もあり、具体的には、副腎皮質ステロイド剤、非ステロイド系消炎鎮痛剤、グルココルチコイドなどです。
犬の胃潰瘍の治療方法としては3段階あります。1つは、原因となる症状に向けた治療です。他の病状によって胃潰瘍が引き起こされている場合には、その症状を軽減するための治療が施されます。具体的には胃酸の分泌を抑えるため、制酸薬や抗ヒスタミン薬の投与などです。
2つ目は、出血、穿孔、過剰嘔吐、腹膜炎が見られる場合です。この場合は入院が必要であり、輸液や輸血を行いながら経過観察が行われます。
3つ目は、切除可能な病変部が発見された場合です。この場合は、開腹して患部を手術によって切除する必要があります。
最後に、胃潰瘍の予防方法に関しては、はっきりとはわかっていませんが普段から胃に負担をかけないように食生活に気をつけることも予防のひとつだといえるでしょう。